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2007年01月11日
日本語の文字についての用語について(1)
文字コード関係のいろいろな記事やブログ(自分も含めて)を読んでいて、どうも、用語が、それぞれで違っているのが気になります。
以前にも、少し、整理してみたことがありますが、その後、自分でも間違っていたと感じることもあります。そこで、いくつかの資料を読んで、もう一度、文字関連の用語を整理してみたいと思います。
1.「表外漢字字体表」
この数年の話題のネタの発生源が、この国語審議会の「表外漢字字体表」です。この文書は、「印刷文字において標準とすべき字体である」印刷標準字体を定めています。
この文書で定義して使っている単語に字体、書体、字形があり、また、字種、異体字、別字という言葉を使用しています。
字体 — 文字の骨組み。ある文字をある文字たらしめている点画の抽象的な構成のありかた。他の文字との弁別にかかわるものである。文字は抽象的な形態上の概念であるから、これを可視的に示そうとすれば、一定のスタイルをもつ具体的な文字として出現させる必要がある。
書体 — 文字の具体化に際して、視覚的な特徴となって現れる一定のスタイルの体系が書体である。例えば、書体のひとつである、明朝体の場合は、縦画を太くして横画の終端部にウロコという三角形の装飾を付けたスタイルで統一されている。すなわち、現実の文字は、例外なく、骨組みとしての字体を具体的に出現させた書体として存在しているものである。
書体の例としては、明朝体、ゴシック体、正楷書体、教科書体など。
字形 — 印刷文字、手書き文字を問わず、目に見える文字の形そのものを総称していう場合に用いる。
・字体の違いとデザインの違い
この「表外漢字字体表」では、字体の違いとデザインの違いについて次のようになっています。
「デザイン差とは、活字設計上の表現の差」としています。文脈上、デザイン差と対比させる形で字体の違いという言葉を使っていますので、デザイン差の範囲での字形の相違は同じ字体と見なし、デザイン差に収まらないものは別の字体と考えていることになります。
デザイン差について、具体的な分類と例があります。
1 表外漢字における字体の違いとデザインの違い
「デザイン差があてはまっても字種を分ける場合は、デザイン差には該当しない。」という一文もありますので、デザイン差は字種の同じものの範囲で意味をもつとしています。
(1) 「しんにゅう/しめすへん/しょくへん」は、(a)を用いるものと、(b)を用いるものがあります。これらは「3部首許容」とされています。印刷字体では標準は(a)だが、(b)を使っても良いということでしょう。特に「3部首許容」と言う表現を使っているのは、これらはデザイン差でなく、別の字体だが、標準として許すといういうことのようです。それにしても、この「3部首許容」という言葉の意図がなかなか分かりにくいですね。
(2)「くさかんむり」については、明朝体では3画を標準としています。しかし、明朝体以外では4画も制限しないということなので、書体によって、デザイン差の許容範囲が違うことになります。
・別字の例が幾つか載っています。異体字で使い分け意識があるものを、特に別字と言っているようです。
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