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2006年10月05日

PDF製品の商標 「セキュアPDF」

PDF製品の商標登録を調べていましたところ、次のような商標にぶつかりました。

【登録番号】 第4927478号
【登録日】 平成18年(2006)2月10日
【商標(検索用)】 セキュアPDF
【標準文字商標】 セキュアPDF
【称呼】 セキュアピイデイエフ,ピイデイエフ,セキュア
【権利者】 株式会社リコー
【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】
9 。。。電子出版物

電子出版物に、「セキュアPDF」という名前をつけるとリコーの商標違反になるのでしょうか?

そもそも、「セキュア」、「PDF」というようなポピュラーな(顕著性のない)名称を組み合わせて、商標に登録できるというのはちょっとおかしいのではないでしょうか。
かなり昔ならいざしらず、登録日が平成18年なのに!

特許庁のホームページには
「どのような商標が登録にならないのか
というページがあり、そこには、
「商標登録を受けることのできる商標は、次のような商標でなければなりません。」として、「自他商品の識別力又は自他役務の識別力を有する商標であること。」が条件になっています。

そして、次のような説明があります。
---引用ここから---
したがって、次のような商標は、自他商品の識別力又は自他役務の識別力を有しないものとして登録を受けることができません(商標法第3条第1項)。
・商品又は役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標(第1号)
・商品又は役務の普通名称とは、取引業界において、その商品又は役務の一般的名称であると認識されるに至っているものをいいます。例えば、「時計」について「時計」、「靴の修理」について「靴修理」などがこれに該当します。
---引用ここまで---

私の経験でも、申請した商標が、顕著性のない言葉を組み合わせたものとして特許庁に拒絶されたことが、いままで何回かあります。私見では、「セキュア」と「PDF」よりもはるかに特殊な言葉を組み合わせたものでも拒絶されたこともあります。(まあ、これはあくまで私見ですが)。

「セキュア」と「PDF」は、これに該当しないのでしょうか。

特許庁の審査基準が首尾一貫してないんじゃないでしょうか?疑問を感じます。皆さんはどう思いますか?

投稿者 koba : 2006年10月05日 08:00

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コメント

適切なコメントありがとうございました。確かにご指摘の通りです。
実際のところ、既にある商標は避けて通れば良いのですが、実務上困るのは、新しい商標が認められるか、拒絶されるかが、あらかじめ分かりにくいということなんですね。往々にして、商標が認められるものとして、使い始めてしまってから、拒絶されることがあります。弁理士に相談しても当たりはずれがあります。それが、審査官に依存するとなるとお手上げになってしまいます。
そうかと言って、この変化の激しい時代に、何年も先のことを見越して商標を登録しておくことなど簡単にはできませんし、使う予定の無い商標をいっぱい抑え込んで、他人が使えなくするというのは、社会全体のためには良い行いとは思えません。本文とは関係ありませんが、理想を言えば、商標登録の期間は5年間程度とし、5年を経て更新時には、使用している証拠を提出させて、証拠が出せなければ失効する、というような規則に変更するのが良いと思います。

投稿者 小林 : 2006年10月08日 11:56

商標法第16条に「審査官は、政令で定める期間内に商標登録出願について拒絶の理由を発見しないときは、商標登録をすべき旨の査定をしなければならない。」とあるように、商標は拒絶の理由を発見できなければ登録されるのが原則ですので、「セキュアPDF」の審査官が「セキュア」という言葉を知らなかったのかと。なので、基準が一貫していないというよりは、単に審査官の問題でしょう。特許庁が全ての単語の辞書を作ってそれぞれの顕著性を決めておく、なんてことは不可能ですからやむをえないことだと思います。このような場合、利害関係者は商標法第46条に基づいて無効審判を請求することができます。
場合によってはこちらをすればよろしいかと。

投稿者 成瀬 : 2006年10月08日 10:21

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