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2006年09月19日
Office2007の新しい数式エディタ (3) 数学記号の入力
昨日は、Murray Sargent の直線形式は、TeXの数式表記をUnicodeで表したものと言いました。
Knuth先生が、TeXの概念を考え、最初のPlain TeXがリリースされたのは、1980年頃、Asciiコードしか考えられなかった時代です。このため、TeXでは、数式につかうギリシャ文字や、演算子、その他の記号類を「\」とラテンアルファベットの組合せでキーワードとして定めています。これで数学記号の代わりに使います。
ところが、現在、Unicode4.0には数式につかうための記号が2000種類も盛り込まれています。従って、TeXでキーワードとして決めている数学記号をUnicodeで表すのは、自然な進化といえるでしょう。
但し、何千もある文字を入力しようとすると、日本語の漢字を入力するのと同じようにIMEを使ってできるようにする工夫が必要になります。
Word2007の数式エディタでは、数学記号をキーワードで入力できるようになっています。キーワード、文字の字形とUnicodeコード番号の一覧表が「Unicode Nearly Plain-Text Encoding of Mathematics」の付録Bにあります。付録Bには264種類の記号が掲載されています。
これらのキーワードはユーザが定義して追加することもできます。
数式エディタで、キーワードを入力して空白をいれると自然にグリフに変わります。
例えば、平方根のキーワードは、sqrtです。平方根を入力するには、次のように、\(英語版ではバックスラッシュ)に続いて、キーワードを入力します。
続いて空白を入力すると、記号に変わります。
このようにキーワードを使って入力するのが一つの方法です。しかし、264種類のキーワードでは、Unicodeで使える数学記号の種類と比べて少な過ぎて、足りないのではないかという心配があります。
そのためかどうか、数式エディタでは、Unicodeの16進コード番号を直接入力することもできます。先ほどのルート記号のUnicodeコード番号はU+221Aです。そこで、次のようにコード番号を入力して、
「Alt」キー+「x」キーを押しますと、記号に変わります。
この他に、主要な数式記号については、従来の数式エディタと同様にWYSIWYG入力もできます。これらの方法で、数式の入力は、従来と比べてかなり簡単になるのではないかと思います。
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