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2006年07月20日

PDF/X-1a:2001、PDF/X-1a:2003 (5)

5.トラッピング

多カラーの印刷工程では、色別の版の位置ずれが原因で、印刷対象の周囲にギャップができたり帯ができたりする可能性があります。隣同士の色を重ねること、トラップという、により版が多少ずれても問題が起こりにくくすることができます。

トラッピングは、PDFを作成するソフトで行ったり、中間的なアプリケーションでPDFにトラップを追加したり、あるいは、最終段階のRIP(ラスター・イメージ・プロセサ)で追加することもあります。PostScriptにはトラッピングを設定することができます。しかし、PDFファイルにはトラッピングは直接指定しないで、PDFに付随もしくは埋め込まれるジョブチケットで指定します。

トラッピングを最終工程よりも前に行ったときは、トラップは、トラップ・ネットワーク注釈としてPDFに保存します。

PDF/X-1a:2001、2003ともこの部分は同じです。

まず、PDFの文書情報であるInfo辞書のTrappedキーにトラッピングされたものかどうかを記述します。
Trappedキーは、通常のPDFではオプションですが、PDF/X-1aでは必須です。そしてその値は、次のようにTrueまたはFalseでなければなりません
・PDFファイル全体がトラッピングされているならば、キーの値はTrue
・PDFファイル全体がトラッピングされていないならば、キーの値はFalse
・一部分だけトラッピングされているものは許可されません。またキーの値がUnknown(PDFの規定値)は許可されません。

PDFファイルにトラップ・ネットワーク注釈を含んでいるなら、Trappedキーの値は、Trueでなければなりません。トラップ・ネットワーク注釈を作成した後で頁を修正したら、トラップ・ネットワーク注釈は無効です。

トラップ・ネットワーク注釈の中で、トラップ・ネットワークの生成の際に代替フォントで置換されたフォントを示す、FontFauxingキーは存在しないか、存在しても空でなければなりません。トラップ・ネットワークを生成する際に想定するカラー空間を示すPCMキーの値は、DeviceCMYKでなければなりません。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック