« 2006年07月14日 | メイン | 2006年07月16日 »

2006年07月15日

PDF/XとOutput Intent

PDF/Xの仕様の策定に伴い、ドキュメントを印刷する環境や出力デバイスカラー特性とPDF文書のカラー特性をマッチさせるためにPDFのドキュメント・カタログにOutput Intent辞書が追加されました。

Output Intentは、PDF1.3では、PDFの仕様ではなく、アドビのテクニカルノート#5413として定義されました。PDF1.4からPDFの正式な仕様となっています。

まず、PDF ReferenceのOutput Intentの項目を見てみます。なお、PDF Reference の説明とPDF/Xの各パートでの制約には不一致の部分があり、その場合は、PDF/Xの仕様書を優先することになっていますので注意してください。

表 10.50 PDF/X用の出力インテント辞書

キー必須かどうか
TypeオプションOutputIntent
S必須GTS_PDFX
OutputConditionオプション意図する出力環境を人間に分かるようにコンパクトに記述する
OutputConditionIdentifier必須意図する出力環境を人間に分かるか、機械可読な形式で記述する。一般にはICC Characterization Data Registryのような業界標準を使用する。業界標準でない場合、Customとするか、それともアプリケーション独自でも良い。
RegistryNameオプションOutputConditionIdentifierで定義される条件のURI
InfoOutputConditionIdentifierが標準の生産環境を指定していないときのみ必須意図する環境を指定するための情報を人間に可読な形で記述
DestOutputProfile同上PDFの文書を出力デバイスに変換するためのICCプロファイルのストリーム
※PDF Reference Fifth Edition (pp.899 ~ 900)

Output Intentは、現在、PDF/Xのみが規定されていますが、将来は、他の用途にも拡張されるとしています。PDF/X以外では、参考情報としての意味しかもちません。しかし、PDF/Xでは重要な役割になります。

投票をお願いいたします

投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック