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2006年07月03日
リニアライズドPDFとは
Webページで配布されているPDFをブラウザで開いてみるとき、PDFのページが表示されるまでに時間がかかると感じた場合、リニアライズドPDF(Linearized PDF)かどうかを確認してみると良いと思います。
普通のPDFをAdobeリーダなどのビューアがファイルの内容を表示する際は、PDFファイルの最後まで読まないと表示開始できません。このため、ファイルの容量が大きい(ページ数の多い)PDFをWeb経由で表示しようとすると、全部ダウンロードするまで、画面には、内容がまったく表示されません。
この対策として、Web経由でPDFをできるだけ早く表示するために作られたのが、リニアライズドPDFという仕様です。
リニアライズドPDFは、PDF1.2から導入されています。PDF Reference 1.6 では、付録F(Appendix F)Linearized PDFという章に36ページの説明があります。
付録になっていることからも分かりますが、あくまでオプション仕様ですので、WebにアップするPDFを作る時はこれを意識して作成しなければなりません。
PDFをリニアライズするプログラムは、出来上がったPDFファイルの内容を並び替え処理を行います。このためPDFの作成とリニアライズは2ステップの処理になります。つまり、リニアライズするとその分追加の処理時間がかかるということです。
また、リニアライズ処理済のPDFを暗号化したり、PDFの内容を書き換えたりしますと、リニアライズドでなくなってしまいますので、再び、リニアライズし直しが必要です。
XSL FormatterV4.0には、リニアライズドPDFを出力する機能がありますので、これを使って試しに、2種類のPDFを作成してみました。
データ1:
リニアライズされたPDF(XSL Formatter V4のマニュアル)
作成方法:XSL Formatter V4 R1で作成したLinearized PDF
サイズ:2,673,164 バイト
データ2:
リニアライズされていないPDF(XSL Formatter V4のマニュアル)
作成方法:XSL Formatter V4 R1で作成した非Linearized PDF
サイズ:2,671,214 バイト
この二つのPDFをWebブラウザから表示してみましょう。リニアライズドPDFの方が表示開始までの時間が遥かに短いことを確認していただけると思います。
ちなみに、PDF Tool でも、既存のPDFをリニアライズすることができます。
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