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2006年06月17日
XSL-FOによるXMLのPDF化 (10) XSL Formatter開発の経緯
昨日は、文書ファイルの変換ソフトの開発に苦労した経験から、1990年代中旬に、ドキュメントをワードプロセッサと独立の、標準的な方法で表現することが重要と考えはじめたことをお話しました。
1980年代から使われているドキュメント表現用の標準技術としてSGMLというメタ言語があります。
SGML (Standard Generalized Markup Language)
このSGMLは、1980年代に国際標準規格になり、1992年にはJIS規格(X4151:1992)になっています。
そうしたことから、当社ではSGMLでドキュメントを表現する方法の検討に着手ました。
1990年代後半には、SGMLで文書を表現するための編集ソフトを試作したりしたのですが、「SGMLは静かなる革命」とも言われて、革命的な技術ですが、なかなか普及しませんでした。
SGMLも、タグとタグで囲った本文で文書を表現します。SGMLでドキュメントを表現すれば、当然、SGML文書にスタイルを与えてページの形に整形し、印刷するための方法が必要です。
このための方法としては、米国ではFormatted Output Specification Instance (FOSI)があり、軍事用の文書などを中心に普及したようです。
SGMLを印刷するための標準技術もあります。文書スタイル意味指定言語(Document Style Semantics and Specification:DSSSL)という仕様です。
DSSSL (Document Style Semantics and Specification)
DSSSLは、JIS X 4153:1998としてJIS規格にもなっています。
DSSSLを使ってSGMLを印刷するツールの必要性はあると考えられましたが、しかし、開発はかなり大変と予想されましたし、当時の市場を考えますとSGML自体がそれ程普及していないなかで、DSSSLツールを開発しても市場性が小さいと見られました。そこで、当社ではDSSSLツールの開発は見送ることにしました。
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