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2006年06月05日

Office 2007のPDF保存問題

昨日の続きですが、Microsoft Office 2007のPDF保存機能は、Officeの市場支配力を乱用した、不公正な競争にあたるのでしょうか?

CNETの記事では、次のように書いています。
Adobe has threatened to file an antitrust complaint against Microsoft with the European Commission if the software giant includes the PDF "save as" feature in its Office 2007

すなわち、「アドビはソフトウェアの巨人(マイクロソフトのこと)が、Office2007にPDF保存機能をつけたならば、欧州委員会にマイクロソフトを独占禁止法違反で提訴すると脅した。」(マイクロソフトの独占禁止法違反問題を管理している弁護士Dave Heinerのコメント)

ECは、他のソフトウェア・メーカとの競争においてマイクロソフトがWindows OSの独占的市場支配力を乱用して、競争を阻害したと認定して、罰金を課したというニュースがあります。この問題はまだ決着がついていないはずです。

そうすると、なんとなく、マイクロソフトの弁護士の発言は、この問題についての牽制球を投げているという印象もあります。

ところで、今回のPDF保存問題は、本当に独占的地位の乱用にあたるのでしょうか。

まず、今回の問題はWindowsではありませんけれども、Officeの市場支配力も相当に大きいですから、Office 2007にPDF保存機能が標準で付けば、大抵の人はそれを使うでしょうから、競争がなくなり、消費者の選択範囲が狭くなることは確かです。

では、例えば、マイクロソフトがアドビからPDF作成ライブラリーを調達して、あるいは、Acrobatを調達して、Office2007に添付したらどうなるのでしょうか?

そうすれば、恐らくアドビがマイクロソフトを脅すようなことはなくなるでしょう。それともアドビは、マイクロソフトにはPDF作成ライブラリーを供給しないというのでしょうか?多分、そんなことはないと思います。

もし、アドビからPDF作成ライブラリーを調達すれば問題ないけれども、アドビ以外の会社から調達すれば問題だというなら、独占禁止法とはなんの関係もない議論になるのではないでしょうか。

私としては、どうも今回は、アドビの主張に疑問を感じます。法律の専門家に意見を聞いてみたいところです。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック