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2006年05月31日

グーグル・クリック詐欺集団訴訟和解案は、モラルを喪失した米国経済界の象徴

2006年05月23日 グーグル・アドワーズ広告集団訴訟和解案についての通告について2006年05月25日 グーグル・クリック詐欺集団訴訟の和解案についての検討で、2回グーグルのクリック詐欺訴訟の和解案について書きましたが、ついでにもう少し言いたいことがあります。

クリック詐欺とは、クリック数課金方式の広告のヒット数データを不正に操作することです。グーグル自身、クリック詐欺は同社のビジネスにとって非常に大きな脅威である、と認めています。

About invalid clicksには、グーグルは不正クリック問題を深刻な問題として考えていて、優秀な人的資源を割いてこれに対処している。不正クリックの多くは、グーグルの自動フィルターによって、広告主に広告費用として請求される前に排除されている、と書かれています。

しかし、「私がグーグルのアドワーズ広告を止めた理由」で報告したケースでは、図表をご覧いただいても分かりますが、明らかにクリック数に異常が現れたにも関わらず、その異常なデータは請求前に排除されていません。このような明白な異常さえも検出できないのであれば、グーグルの自動フィルターは、(少なくとも半年前の時点では)性能が悪いものであったと断言できます。

今回の訴訟の和解に際して、原告側弁護団に3千万ドル(約33億円)もの大金を支払うことにグーグルが同意したのは、過去においてかなりの不正クリックがあったことを認めていることにもなります。

そうして、本来であれば広告主に返済すべきものを弁護団に支払うことは、弁護団が不当な利得を得ることを認めているわけです。

自己の利益のみを得るために不正なクリックする人、不正クリックという不当な手段から得た利得を、本来返すべき相手である広告主にできる限り多く返済しようとせず、弁護団に不当な利得を与えるような解決をとるグーグルの経営陣、恥ずかしげもなく3千万ドルもの不当利得をむさぼる弁護団。

こうした、信義にもとる行動パターンは、拝金主義そのものであり、アメリカ型資本主義のモラルを喪失した側面の典型的な例といえるでしょう。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (2) | トラックバック