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2006年05月05日
PDFとフォント (24) CID-Keyedフォント(PDF)
PDF ReferenceにもCID-Keyedフォントの説明があります。
5.6.1 CID-Keyed Font Overview
PDF Reference V1.6 pp.403 -405
ここを読みますと、昨日、説明しましたPostScriptを想定するCID-KeyedフォントとPDFのそれでは微妙に違いがあることがわかります。
まず、PDF Referenceではフォントをsimpleフォントとcompositeフォントの二つに大別しています。simpleフォントとは1バイトフォント、compositeフォントとは複数バイトのフォントです。
2006年05月03日 PDFとフォント(22) Type0 フォントでも説明しましたが、PDF Referenceでは、compositeフォントのことをType0フォントと言い、具体的にはCID-Keyedフォントのみ使うことができます(OCFはサポートされていない)。
PDFのCID-Keyedフォントは次のものから構成されます。
・CID
・CMap
・CIDFont
(1) CIDは、昨日説明しましたPostScriptと同じものです。
(2) CMapも同じような役割なのですが、PDFでは少し機能を限定しています。
(3) 一番の違いはCIDFontです。PostScriptの時とは違い、PDFではCIDFontにはType0とType2の2種類があります。
・CIDFont Type0は、アドビのType1フォントの形式でグリフを記述したもの
・CIDFont Type2は、TrueTypeフォントの形式でグリフを記述したもの
PDFでは、1バイトのTrueTypeフォントをsimpleフォントの1種類として扱い、CJKなどの複数バイトのTrueTypeフォントは、compositeフォントとして、Type0フォントの仕組みを使って扱っているということになります。
この影響でPDFではCMapによるグリフ選択の仕組みも、PostScriptのCID-Keyedフォントとは少し異なっていて、TrueTypeの取り扱いが追加されます。このあたりは細かい技術的な話ですので省略します。
このことは、1バイトのTrueTypeフォントと2バイトのTrueTypeフォントが、AcrobatのPDFのフォント・プロパティ情報で、表示が違うことからも確かめることができます。
※Acorbat Standard 6 (英語版)による
上の画面の例ではTimesNewRoman(1バイト)のタイプはTrueTypeですが、MS明朝(2バイト)のタイプはTrueType(CID)となっています。
私としては、いままではTrueTypeにCIDなんてないのに「おや?おかしいな。」と思っていたのですが、漸く、わかりました。
※このあたりはアドビの手抜きじゃないかなと思うのですが。ま、こんな細かいことに文句言うのは日本人だけかもしれませんね。
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