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2006年04月23日
PDFとフォント(14) ビットマップフォント
昨日は、グリフを可視化する方式として、(1)点滅するドットのパターン、(2)ペンで線を描く、(3)光学的方式を説明しました。
今日は、その中で、フォントのデータから(1)点滅するドットのパターンをどうやって作り出すか、という観点からどのような方式があるかを整理してみたいと思います。
1.ビットマップフォント
一番単純なものは、フォントのデータ自身の中に、グリフをドットのON/OFFのパターンとして表したデータとして持つ方式です。
※参考
ビットマップフォント
次の例は、縦方向12行、横方向12列(12×12ドット)の塗り潰しパターンで「阿」という文字を表した例です。
※実際のフォントのデータではありません。
ビットマップフォントでは、このようなパターンデータを文字毎に用意するわけです。
ビットマップフォントの最大の問題は、拡大、縮小をすると汚くなってしまうことでしょう。すなわち、12×12ドットで最適な形になるようにデザインされたフォントを、例えば1文字あたり24×24ドットで表示すると奇麗ではなくなります。このため、文字を表示・印刷する装置のドット密度と表示したい文字の大きさ毎に適切なドット数のフォントを選択しなければなりません。
このためフォント供給者は、様々なサイズのフォントを品揃えしています。例えば、リコーのビットマップフォントの案内を見ますと、次の種類があります。
・ゴシック体 10×10、12×12、14×14、16×16、18×18、20×20、24×24、32×32、40×40
・明朝体 12×12、14×14、14×14 (ボールド)、16×16、16×16 (ボールド)、18×18、20×20、24×24、32×32、40×40
リコーのビットマップフォントには、この他にゴシック体を低解像度用に改良したNewゴシック体、丸ゴシック体も紹介されています。
ビットマップフォントは、パソコンの画面表示、携帯機器(PDA)、携帯電話、あるいは様々な電子機器などメッセージ表示用に使われます。実際のところ、ビットマップフォントが今一番使われているのは、携帯機器ではないでしょうか。しかし、家庭用の電子機器、複写機、FAXなども液晶画面でメッセージを表示するようになっていますので、ビットマップフォントの利用範囲は非常に広範囲に渡っていると思います。
投稿者 koba : 2006年04月23日 08:00
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