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2006年03月30日

オープンソースのビジネスモデル (3)

PDFのオープンソースのビジネスモデルのもう一つのタイプはGhostScriptXpdfのように、同じものを商用ライセンスとオープンソースライセンスのデュアルライセンスで提供するタイプです。

例えば、GhostScriptのライセンスはここに説明されています。
http://www.artifex.com/licensing/index.htm

これによりますと、GhostScriptは3種類のライセンスで提供されています。

なお、以下でいうライセンスの違いは、主にGhostScriptを使ったアプリケーションを再配布する時の条件の違いになります。従って、製品提供者側向けの話です。エンドユーザの使用権について言っているわけではありません。

(1) Artifex Ghostscript 商用ライセンス
Artifex 社と契約を結びGhostScriptのソースコードを入手、GhostScriptを自分で開発したアプリケーションと一緒に配布する権利を得ることができます。このとき、自分で開発したアプリケーションのソースコードをオープンソースにしなくても構いません。

(2) AFPL Ghostscript:Aladdinフリー公開ライセンス(Free Public License)
(3) GPL Ghostscript: GPLライセンス

GPLまたはAFPLのGhostScriptを使うなら、自分が開発するアプリケーションが、次のいずれかにあてはまる場合、自分が開発するアプリケーションすべてをGPLまたはAFPLで公開しなければなりません。

・自分で開発するアプリケーションが、GPLまたはAFPLのGhostScriptのコピーを含む。
・自分で開発するアプリケーションが、GPLまたはAFPLのGhostScriptから派生している。
・自分で開発するアプリケーションが、GPLまたはAFPLのGhostScriptのひとつ以上の機能を使っている。

自分が開発するアプリケーションをGPLまたはAFPLで公開しないなら、(1)の商用ライセンスを選択しなければならないのです。つまり、お金を払って再頒布の許可を得なければなりません。

AFPL GhostScriptはこちらから入手できます。
AFPL Ghostscript

GPL GhostScriptはこちらから入手できます。
GPL Ghostscript

ややこしいですね。それにしても、なぜ、商用ライセンスの他に、GPLとAFPLの2種類のライセンスがあるのでしょうか?

Aladdin Free Public Licenseの文章をざっとみますと、まず、これは、(いわゆる)オープンソースではないと書いてあります。GPLとの違いとして、AFPLでは「商用団体が、直接的にせよ、間接的にせよ、対価をとってAFPL GhostScriptを配布することを禁止している」ということで、「AFPLはGPLより厳しいライセンス」であると書かれています。
GPLは対価を取ることを禁止していません。

投稿者 koba : 2006年03月30日 08:00

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