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2006年03月21日

PDFとフォント(10) フォントの合成

実際に、Microsoft Excelでフォント別にスタイルを指定したデータを作ってみます。
次の図は、Arial、Arial Narrow、平成角ゴシックStdについて、Excelで指定可能なスタイルを指定したものです。

OfficeFontSynsesize.PNG
※MicrosoftExcelの印刷プレビュー画面

上の図で、フォント名にブルーの背景をつけた行は、フォントファミリーに該当のスタイルのものがありません。しかし、フォントがなくてもそれらしいスタイルの文字が表示されていることがわかります。

Bold、Italicについては、フォントファミリーに該当するフォントがなくても、OS(Windows)がフォントを合成して該当するスタイルを作りだしてくれることがわかります。

もちろん、これをPDFドライバでPDF化した場合、Excelの印刷プレビューと同じようにPDFでも再現されます。

○上記のExcelファイルをもとにAcrobat6で作成したPDF:
Download file

○上記のExcelファイルをもとにAntenna PDF Driver 3.0で作成したPDF:
Download file

ちなみに、
OSで合成したフォントについては、PDFReferenceには次のように書いてあります。

「システムにインストールされていなくてOSが合成したフォントについては、カンマで区切ってスタイル名を付加する。例えば、TrueType フォントNew YorkのBoldを派生させたときは、BaseFont の値に、/NewYork,Bold と書く」
(PDF Reference 1.6 p.388)

しかし、実際には、そのような出力をしているのは、PDFWriterのみです。次の図は、PDFWriterで出力したPDFのプロパティ-Fontの部分ですが、フォント名の後ろにスタイルを付加していることがわかります。
OfficeFontSynsesize-PDFWriret.PNG
※ちなみに、PDFWriterで作成したPDFは、(ここにはリンクしませんが)平成角ゴシックStd部分が文字化けしてしまっています。

AcrobatPDFもAntenna PDF Driverもそういう出し方はしていなくて、Italicに対して傾ける行列をつけるなどの計算方法を指定しているようです。PDFReferenceの記述は不要ということなんでしょうか?

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック