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2005年12月10日
PDFの作成方法(18) – InDesign, Illustrator
これまで、18回にわたり、PDFの作成方法をいろいろお話してきました。最後に、もうひとつ重要な、あるいは、印刷の専門家からみたら「これを説明してもらわなければもぐりじゃない?」という方法を説明して、ひとまず終わりにしましょう。
それは、IllustratorやInDesignなどで直接PDFを出力する、本家・本元のこれぞPDF葵の御紋というものです。
これらは、さすがに、ご本家の製品だけあって、IllustratorもInDesignもPDF作成機能は充実しています。そこで、簡単にPDFを作ってみましょう。
Illustrator(CS2)でPDFを作成するのは、「印刷」メニューではなく、「別名で保存」または「複製を保存」を使います。また、InDesignでは「書き出し」メニューでファイルタイプを「Adobe PDF」に指定します。
それぞれでPDFを作ってみて、プロパティを見ますと、次の図のようになります。通常、AcrobatでPDFを作成しますと、PDFProducer(作成者)はDistillerになります。しかし、IllustratorとInDesignで作成したPDFファイルはいずれも作成者がAdobe PDF Libraryになっています。このことから、恐らく、これらのアプリケーションはプリンタ・ドライバ方式ではなくて、PDFを直接生成する方式を取っていると推測できます。
○Illustratorで作成したPDFのプロパティ
○InDesignで作成したPDFのプロパティ
これは、IllustratorとInDesignでは、PDFを作成する時に、様々なPDFの機能をきめ細かく設定するためでしょう。
例えば、Illustratorでは、PDF作成時に、レイヤー化されたPDF、カラーマネジメントとPDF/X準拠のPDF作成、トンボと断ち落としの設定などができますが、これらはプリンタ・ドライバ経由でPDFファイルを作成する方法では難しいでしょう。
このようにPDFでは、ものすごく様々な機能を使うことができます。特に、高度な印刷用のPDFファイルを作ろうとしますと一般的なプリンタ・ドライバ方式では、それをPDFに設定することが難しくなります。
一般に商用印刷などに使うPDFを作るアプリケーションでは、①高度な機能をもつPDF生成ライブラリーを使い、②PDFを作成するアプリケーション側から、PDF生成ライブラリーをきめ細かく制御してPDFファイルを作成することが必要になります。
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