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2005年11月14日
PDFの作成方法(10) – PDFの大量生産へ
PDFの作成方法の全体の仕組み(11月1日)の図で④アプリケーションからPDFを作成するライブラリーを使ってPDFを出力する方法を挙げました。
ここでいうアプリケーションには、Webシステムのようなものから、ワープロソフトのようなデスクトップ製品まで広く含まれます。
PDFLibのようなライブラリーを使って、Webや企業内システムへ、PDF出力機能を組み込むのはシステム・インテグレータの役割となります。Webシステムや企業内システム、特に、帳票系では、日本でも同じようなものを提供しているベンダーも多くなっていますね。
PostScriptに依存しないPDF作成ライブラリーを使って、PDFを直接作り出す場合は、次のようなメリットがあります。
1.PostScritpと比べて高速な処理ができる。アプリケーション→PostScript→PDFという2段階からアプリケーション→PDFの1段階になる。また、PostScriptよりは軽い処理なので早くできる。
2.プリンタ・ドライバのような第3者ソフトを使うのと比べて自由度が高まり、プリンタ・ドライバに依存しない出力の仕方ができる。
3.アプリケーションからPDFのもつ様々な機能を、きめ細かく使用することができる。
逆に、PostScriptに依存しないデメリットとしては、次のようなことがあります。
1.PDFはページの概念をもつメディアなので、アプリケーションがデータからページを作り出す必要があり、どうやってPDF化したいデータのページアップを行なうかが問題である。一般にはぺージの概念を備えたアプリケーションが前提となる。
2.アプリケーションに、PDFを作る命令をひとつずつ組み込むため開発に時間がかかる。
3.EPSという高度なグラフィックス・ファイルの読み込みができない。
このメリットとデメリットについては、いずれより詳しく検討することにして、ここでは、DTPからPDFを作りだすという従来の出版・印刷の流れとは別の流れとして、システムの中でPDFを大量に生産する仕組みが普及してきている、ということを強調しておきたいと思います。
そして、この場合、PostScriptに依存しない技術の方が適切ではないでしょうか。
投稿者 koba : 2005年11月14日 08:00
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