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2005年11月23日

XSL Formatter V3.4 をリリース

アンテナハウスは、11月21日、XSL Formatter V3.4 を公開しました。この製品は、W3Cが策定したExtensible Stylesheet Language (XSL-FO)仕様に準拠する組版ソフトです。XSL-FOを高速に自動組版して、PDFを作成することができます。

2000年の12月に発売して以来、日本のみでなく世界中で高い評価をいただいているものですが、今回のバージョンでは、次のような機能強化を行ないました。

1.PANTONE社との契約により、PANTONEオプション(カラーデータベース)を用意しました。これを使えば、スポットカラーにPANTONEの色名だけを指定すると、RBGカラー、CMYKカラーといった代替色をデータベースから取り出して画面などに表示できます。PDFの中ではSeparationカラー・スペースを使ってPANTONEの色名を保存します。このPDFを画面表示するときは代替色で表示します。印刷工程で使用するときは、PANTONEの色名を取り出して使えるはずです。

詳しくは、PANTONEオプションについての説明ページをご覧ください。

実際の印刷工程でどう使うかは、私にはまだわかっていません。どなたかご存知の方がいましたらお教えいただきたいものです。

2.作成したPDF文書を開いたときの表示方法を、 ①文書アウトラインもサムネールイメージも非表示、②文書アウトラインを表示、③サムネールイメージを表示、④フルスクリーンモード、⑤オプションのコントロールグループパネルを表示のどれかで指定できます。また、文書を開いたときに表示される宛先または実行されるアクションを指定できます

3.組版したページに行番号を出力できます。これは、主に法律文書で必要になることが多いようです。カナダの司法省などの既存ユーザからの強い要望で追加したものです。

4.欧文組版のための拡張を用意しました。フランス語の組版における禁則処理、およびEU公文書ルールに沿った組版が可能になります。EUでは公文書の組版規則を決めていますが、このあたりは、今年の4月の第16回多言語組版研究会で家辺氏に教えていただいたことです。

5.段落の最後の行が1語だけにならないように指定できるようになりました。

今回のバージョンアップは、全体として、海外ユーザからの要望による機能拡張が中心になっています。日本国内では、PANTONEよりは、東洋インキなどのカラー名を指定できるようにする方が良いのではないかと思われますが、日本国内でよく使われる色データベースについてはまだ未検討です。どなたかご存知でしたらお教えいただければと思います。

XSL Formatterは、いろいろ勉強しながらですが、世界で最も優れた多言語組版機能とPDF自動生成のエンジンを目指しています。XSL-FOについては、また、機会をみて詳しくお話したいと思います。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック