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2005年11月10日
PDFの作成方法(8) – PostScriptにない機能は
ところでPDFはPostScriptにはない、データの交換・共有機能をもたせるために発明されたと話しました(11月5日)。このため、PDFは、しおり、注釈、ハイパーリンクなどPostScriptにはない機能をもっています。
PostScriptファイルからPDFを作成する場合は、当然のことながら、PostScriptファイルの中に存在しない情報は、PDFに入れることができないわけです。これを考えますと、PostScriptを経由してPDFを作る方法についてはひとつ疑問がわきます。
つまり、「PDFを作るのに、古いPostScriptに依存するやり方で十分なのだろうか?」、「PostScriptが持っていなくて、PDFで必要とする情報はどうやって受け渡しているのだろうか?」という疑問です。
そのためには、原理的に、次のようなことが必要になるはずです。
- PostScriptファイルに、PostScriptの印刷処理では不要だけれども、PDF作成では使う情報を持たせる仕組みが必要
- 前段でPostScriptファイルを準備するとき、予めPDFを作ることを意識してそういう情報を出力する
- PostScriptからPDFへの変換プログラムは、PDFを生成するとき、そういうPDF専用の命令をも解読して、PDFに出せる必要がある
これについては、「PDFMark」という、しおり、注釈、ハイパーリンクなどPDF独自の機能をPostScript ファイル内に記述する仕組みが用意されています。しかし、アプリケーションからPDFを作成するときに、この仕組みを実際に使えるかどうか、となるとまた話は別になります。仕組みは仕様として用意されていても、プログラムがそれを使えるように作られていないと、普通のユーザは実際には使えないからです。
では、Postscriptプリンタ・ドライバを前提とした場合、しおりやハイパーリンクなどPDF専用の機能を使うことができるのでしょうか?あるいは、プリンタ・ドライバでできないとしたら、どうやったらできるようになるのでしょうか?このあたりは、やや高度な話になりますので、後日、まとめてお話してみたいと思います。
PDFMarkに関する仕様:
pdfmark Reference Manual (PDF: 985k)