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2012年12月10日

PDF/X-5(ISO 15930-8)とは

おはようございます。

しばらく前に、PDF/Xファミリの紹介、およびPDF/X-4の概要を記載しました。今回は、PDF/X-5の概要を紹介したいと思います。

PDF/X-5はPDF/X-4同様に2008年に国際標準(ISO 15930-8)となっています。他のPDF/X同様、ベースとなるPDFの仕様に対して、その機能内で使用可能な項目を定義することで、印刷用データの交換形式を定めるものす。PDF/X-5は、PDF/X-4同様にベースとなるPDFの仕様はPDF 1.6です。また、2010年に改訂が加えられた Second Edition が発行され、現在はこちらに置き換えられています(このあたりもPDF/X-4と同じです)。では、PDF/X-4とは何が異なるのか、簡単に見ていきたいと思います。

PDF/X-5には準拠レベルが3種類定義されています。

  • PDF/X-5g
  • PDF/X-5n
  • PDF/X-5gp

PDFにはOPI(Open Prepres Interface)といって、PDFの外部にあるグラフィックファイルを参照する機能があります。容量の大きなグラフィックを本文から切り離しておくことにより、高解像度のグラフィックが使用される印刷用のデータの校正時に、修正とは無関係な大きなデータのやりとりを行わなくてもすませることができます。

PDF/Xは印刷データの交換を単一のデータのやりとりですませることを目的としたものでありますが、上記のPDF/X-5gおよびPDF/X-5gpは、OPIとほぼ同様の手法を許可することで、印刷データ自体は複数となってしまいますが、複数回のデータ交換の総量を抑えたり、グラフィックデータは本文とは異なる部署から印刷業者へ渡す、といったことが可能となります。

PDF/X-5gとPDF/X-5gpの違いはPDF/X-4とPDF/X-4pの違いと同じです。PDF/X-5gpは、PDF外部にあるカラープロファイルの参照を許可したものとなります。
PDF/X-5nは若干、他と違ったものになっています。他のPDF/X仕様は、ベースとするPDF仕様に対して、使用可能な機能を制限するものでしたが、PDF/X-5nは、ベースとしるPDF仕様では禁止されている部分を許可しています。PDFでは1成分,3成分,4成分のカラースペースに対するカラープロファイルの仕様が定義されていますが、n成分のカラースペースのカラープロファイルについては定義されていません。PDF/X-5nはこれの仕様が認められています。このプロファイルの仕様は ISO 15076-1:2005で定められているものとなっています。これ以外の部分についてはPDF/X-4pと同様の制限となっています。

このように、PDF/X-5は、PDF/X-4で制限されている内容を、使用するワークフローに応じて、緩和したもと緩和したものと言えます。PDF/X-5の仕様内には、外部のグラフィックを使用する必要がないのであれば、PDF/X-5g、PDF/X-5gpではなくPDF/X-4、PDF/X-4p仕様とするべきである、との記述もあります。

以上、PDF/X-5についてまとめてみました。

PDF、そのほか、各種ご相談はアンテナハウス システム製品技術相談会まで

2012年12月11日

PDF/E(ISO 24517)について

みなさま、おはようございます。

これまで、PDFをベースとした国際標準規格PDF/A(ISO 19005)、PDF/X(ISO 15930)ファミリついて紹介してきました。それぞれ、デジタルドキュメントの長期保存、印刷用データの交換を目的としたPDF関連規格でした。

今回はまた別の規格 PDF/E について記載してみます。

PDF/Eの仕様は、ISO 24517で規定されています。

ISO 24517も 19005,15930同様に複数のパートからなるマルチドキュメントですが、現時点でISOの仕様となっているものは PDF/E-1(ISO 24517-1)のみです。

まず、ISO 24571-1のタイトルからですが、
Document management ? Engineering document format using PDF ?
Part 1:Use of PDF 1.6 (PDF/E-1)
となっています。

エンジニアリングワークフローにPDFを適用するための仕様であり、PDF 1.6をベースとして、2008年に制定されています。

目的はエンジニアリングワークフローにおけるドキュメントの確実な作成、交換、レビューを可能とすること。具体的な例として、仕様書内のユースケースに上げられている項目の一つに、住宅設計図面のメーカによる作成、第三者機関による審査、監督官庁による承認があります。この中で、作成された図面を審査した第三者機関が差し戻しを行う場合に注釈等を用いて具体的な不具合箇所の指示を行い、審査に合格した場合は図面にデジタル署名を行って監督官庁に提出、監督官庁では図面の承認後、デジタル署名を行った承認図をメーカに戻す、というようなワークフローが説明されています。

この過程で、表示・印刷されるドキュメントが環境によって異なった表示とならないよう、PDF/EにおいてもPDF/A、PDF/Xなどと同様に、フォントの埋め込み、カラースペースの制限などが規定されます。また、上記ワークフローで登場しますように、注釈の使用が許可されています。ただし、PDFの注釈には、ディスプレイ上では非表示となる、あるいは印刷時には印刷対象外となる、といった機能が使用できますが、PDF/E-1ではこのような機能の使用は許可されていません。
また、組立手順書、保守マニュアルといったドキュメントで、使用されるパーツや組立て手順の説明などに有効な3D注釈なども使用可能となっています。承認図等でデジタル署名が使用されますので、デジタル署名機能についてもその使用方法が指定されています。

PDF/E-1はPDF 1.6をベースとした規格ですが、現在、ISO 32000-1をベースとしたPDF/E-2も検討が進められています。

PDF/A,PDF/X,そしてPDF/E について紹介してみました。このほかに、PDF/VT、PDF/UAなど、PDFに関係する規格が他にもあります。前回、審議中として紹介したPDF/A-3は,今年国際標準になっています。今年はこのほかにも PDF/UA-1(ISO 14289-1)も国際標準になりました。このあたりについても、また機会をみて取り上げてみたいと思います。

PDF、そのほか、各種ご相談はアンテナハウス システム製品技術相談会まで

2012年12月12日

クラウド型EPUB/電子文書リーダ“AH Reader Preview”公開!

電子書籍、電子出版のCAS-UBブログ でも案内しているとおり、アンテナハウスは、クラウド型EPUB/電子文書リーダ“AH Reader Preview”を公開しました。お使いいただくには、次のAH Readerについてのページにアクセスして、「AH Reader Preview を使ってみる」をクリック。

○AH Readerについて http://r.cas-ub.com/

これでお使いのブラウザがEPUBリーダーになります。Webアプリケーションなのでインストールは不要です。

“AH Reader Preview”は、組版エンジンとして AH Formatterをサーバー側で使用しています。
AH Formatterの最新開発中バージョンが使われているので、その機能を試すのに“AH Reader Preview”を利用することもできます。

AH Reader Previewのホーム画面:

縦書き/横書きの切り替えが可能

AH Readerは、EPUB3の縦書きと横書きのスタイルシートの切り替えのしくみに対応しています。
「設定」から「組み方向」の縦/横の切り替えができます。

IDPFで公開されているEPUB3サンプルの次のものが縦/横の両方のスタイルが切り替えられます:

縦書きの表示と横書きの表示の切り替えの例(サンプルは sash-for-you-20120827.epub):



このほか、AH Readerにはユーザーが表示スタイルを自由にカスタマイズして表示できるようにユーザースタイルシートの設定機能があります。次回はその紹介をしたいと思います。

(AH Readerの使用上の注意や制限事項などは「AH Readerについて」ページにありますので、ご使用前にお読みください)

2012年12月13日

クラウド型EPUB/電子文書リーダ“AH Reader Preview”のこと、その2

前回のつづきで AH Reader Preview について。

電子書籍の組版をカスタマイズ:ユーザースタイルシート

AH ReaderではEPUB書籍を読むときの「設定」の中に「ユーザースタイルシート使用」という項目があります。これをチェックすると、その下の欄にユーザースタイルシートのCSSを指定することができます。

そのCSS指定の例としてあらかじめ、

body { text-align: justify; }

と入っていますので、「ユーザースタイルシート使用」をONにすると、この設定が有効になります。
これは、EPUBコンテンツによってはCSSで行の揃え(text-align)の指定がされていないために、デフォルトでは行末が揃わないでガタガタになってしまうという場合に、このユーザースタイルシート設定をすることでデフォルトを両端揃え(justify)に変えるためです。
この必要がなければ、これを削除してほかのスタイル指定を追加するとよいです。

※CSSコードを直接ではなくて外部のCSSファイルを指定したい場合は、@import url(...); が使えます。

例として、フォントを変えてみます。次のフォントを指定してみます。

AH Reader の「設定」で「ユーザースタイルシート使用」をONにして、次のCSS指定を書きます:

body { font-family: '07やさしさゴシック' !important; }

そしてこのフォントで読みたいEPUBを指定して読むと、次のようにこのフォントで表示されます。(サンプルは『草枕』kusamakura-japanese-vertical-writing-20121124.epub

組版はAH Readerのサーバー側で行っているので、ユーザーのシステムにはこのフォントが入っていなくても表示されます。
残念ながら現在のところサーバー側に入っていて使えるフォントは限られています(オープンなフリーのフォントのみ)。使用可能なフォントがリストから選べるように近々修正予定です。

また、現在Webフォントの標準フォーマットであるWOFFへの対応など進めていて、それができれば公開されているWebフォントサービスを使って好きなフォントを指定することができるようになります。

※お客様が所有される商用のフォントを使ってEPUBを閲覧(あるいはPDFに変換)するということは残念ながら難しいです。その場合は、AH ReaderサーバープログラムとAH Formatterをお客様のシステムに組み込んで使用する必要があります。詳しくは弊社サポート(cas-info@antenna.co.jp)にお問い合わせください

AH Readerとその組版エンジンである AH Formatterも、地道に改良を続けていきますのでどうぞよろしくお願いします。

2012年12月14日

PDF Tool テキストウォーターマークのちょっとした使い方

PDFTool APIの購入を検討され評価版をダウンロードして使ってみた方もおいでかと思います。

さて、PDFTool API評価版をダウンロードして使ってみると「Antenna House PDF Tool」という文字が表示されます。

正規版においてもこのようなテキストを挿入する「テキストウォーターマーク」という機能があります。

PDFを配布したいけれどもあくまでも「評価版」というステータスで配布したいといった時に使えます。

●製品詳細ページ
『Antenna House PDF Driver API / Antenna House PDF Tool API 』

●無償の評価版をぜひお試しください! 
『Antenna House PDF Driver API / Antenna House PDF Tool API』評価版

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