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2012年03月05日

PDF Server 耳寄り話-ブラウザからのPDF変換-

 今週は少しPDF Serverについてお話ししたいと思います。

 最近のお問い合わせで「Webブラウザから変換できないのか?」という内容を頂くことがあります。PDF Server V2.3では、プロフェッショナル版に「Web変換ツール」という、PDF ServerをWebブラウザから利用するためのツールがございます。

 この「Web変換ツール」というのは、「Webアプリケーション」なのですが、実際にPDF変換を行っているわけではなく、PDF Server用の監視フォルダにファイルをアップロードし、出力フォルダに変換されたPDFファイルの一覧表を表示してダウンロード出来るようにしただけの簡易なものとなっており、変換自体はPDF Serverにすべて委ねています。

 ただ、現実問題としてなかなか使えないのは構築するためにはWebシステムに関してそれなりの知識が必要な事と、機能的にマッチしない事も多々あるからのようです。また企業のイントラネットの場合、大企業になるとブラウザのバージョンが古い事も良くある話で、最新の技術を入れ込んでも逆に利用できない、という事もあります。

 機能に関してもいろいろなお客様の話を聞きますと、要件がかなり異なりなかなか汎用性が効かない事の方が多いです。PDF Serverの全部の機能が使えれば良いのかと言えばそうとも限らず、中には「余計な事をさせたくない」という事情も言われることがあります。

 そうやって考えた場合、一番効率が良いのは「Webアプリケーション」部分をお客様側で作成して頂き、PDF変換部分をPDF Serverのコマンドラインで利用する事が一番手っ取り早い方法となります。そうすれば任意の機能だけを実装できてなおかつ自社のブラウザやセキュリティにも対応可能ですし、実際にそうやって使っていらっしゃるお客様もおられます。

 現在開発中のV3では「Web変換ツール」に相当する部分も大幅に機能アップを予定していますが、コマンドラインを利用すればWebアプリケーションに簡単に必要な機能だけ「PDF作成・編集」を実装する事が出来ますし、そのための技術支援についてもある程度(PDF Serverに関わる部分ですが)はさせて頂きます。V2.3には簡単なサンプルも用意しておりますし、取りあえず動作させたい場合も確認出来る程度まではフォローします。

 フォルダ監視変換だけではなく、一度Webブラウザからの変換もお試し頂けるとその便利さが分かると思います。


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2012年03月07日

PDF Server 耳寄り話 -QRコードの使い道-

 PDF Serverには、QRコードを読み取ってタスク設定とは別に任意のフォルダに出力する事が出来ます。逆に、出力PDFに対してQRコードを貼り付ける事も可能です。QRコードは2次元バーコードと呼ばれているものなのですが、高速に大量のデータを読み取ることが可能です(QRコードのQRとは「Quick Response」の略です)。

 元々は工場(開発したのが自動車関連メーカーなので)や配送センターで製品の管理などで利用する目的で開発されましたが、日本では主に携帯電話のカメラで情報を読み取る事で広く普及しています。携帯電話を持っている方の大半の方は一度ぐらいは使った事があると思います。

 携帯電話でWebサイトのアドレスを読み取って表示したり、逆に携帯電話のディスプレイににQRコードを表示してクーポンやチケットの代わりにするなど「携帯電話」を中心に考えた場合は便利なのですが、PDFに貼り付けた場合、いったいどう利用すれば便利なのでしょうか?

 PDFにはアドレスなどにリンクを付与してパソコンなどで指定したURLをブラウザなどで表示させることが出来ます。そういう意味では前述の携帯電話用のアドレスをPDFに入れる場合にはQRコードは便利に使えると言えます。しかし、そういうニーズと言うのはあまりないように思います。

 では、どういう形で使うのが良いのでしょうか?

 ドキュメント管理を行う場合には通常、検索用の通し番号がついています。一般的な言葉でいえば「伝票番号」や「商品番号」などでしょうか。そういうものをQRコードしておくとパソコン以外でも利用する事が可能になります。もちろん、QRコードを読み取りさえすればパソコンでも利用できます。

 もし、ドキュメントが「紙」だった場合にはスキャナで読み取り、画像(TIFFなど)やPDFにすると事もあります。そういう場合、一般的には「OCR」を実行して伝票上の文字を識別する事が普通だと思います。しかしOCRの場合、人間と違い誤認識も結構あります。画像がはっきりしていれば問題ないのですが、少し汚れていたり、解像度が低すぎたり逆に高すぎたりするとうまく認識出来ません。文字も良く似たものがあり例えば数字の「ゼロ」とアルファベットの「オー」、数字の「いち」とアルファベットの「アイ」なども画像の状態によっては間違えたりします。

 ところが、このような番号をQRコードにしておけば読み取る時に間違えずに認識する事が出来ます。ようするに文字認識のOCRの代わりに利用する事が出来ます。文字認識と異なり、誤認識の確率はかなり低いので信頼性は高いです。

 PDF ServerV2.3ではタスク設定毎に1つしか内容を設定できませんが、開発中のPDF Server V3では変換ファイル単位で設定が可能になります。設定についても今回からは一部公開するため、連動するソフトウェアを作成する事が非常に容易になります。また、今後のバージョンではQRコードを利用しやすくするための機能も考えています。

 アンテナハウスではPDFを活用するにあたり、QRコードを使ったソリューションを考えているのであればご相談頂ければV2.3やV3でどのように活用できるのかをご提案したりサポートしたりする事が可能です。是非一度ご相談頂ければ幸いです。


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2012年03月09日

PDF Server 耳寄り話 -フォントの埋め込みついて-

時々お問い合わせを頂くのですが、PDF ServerではMS-Office変換やアプリケーション変換でフォントの埋め込みを行う事が出来ます。お気づきかも知れませんが、PDF Serverで埋め込んでいる訳ではなく、一緒にインストールする「Antenna House PDF Driver 4.1」で行っています。

 フォントはWindowsであれば必ずインストールされているものもあれば、後から購入して別途インストールするものもあります。後から購入するなどして追加したフォントは他の人のパソコンにあるとは限らず、そのフォントを使用して作成されたMS-OfficeドキュメントやPDFはファイルを渡しても同じように表示や印刷が出来るとは限りません。そのため、PDFではフォントの情報をファイルに一緒に埋め込んでおいてフォントがインストールされていない他の方のパソコンでも同じように表示や印刷出来るようになっています(画像のように文字をコードではなく、形状だけをを埋め込む場合はフォント情報は関係ありませんが、テキストをコピーして取り出すことは出来ません)。

 以前のブログ記事でも触れていますが、どんなフォントでも埋め込めるとは限りません。フォントが埋め込み許可をしないものについては埋め込みをする事が出来ません。

 それ以外に「表示と印刷」や「編集可能」、「インストール可能」などがあるのですが、これらのフォントは基本的に埋め込みが可能です。ただし、埋め込んで作成したPDFの扱いには少し注意する必要があります。

 それは「著作権」の問題です。

 一番身近な例ですと音楽や映画、我々が提供しているコンピュータ・ソフトウェアもそうですが、一般にオリジナルで作成したコンテンツ(技術ではないです)には著作権があります。そして「フォント」にも著作権が存在してます。Windowsではシステムドライブの「Windows」フォルダ内の「Fonts」フォルダにフォントが収められています。フォントのプロパティ(マウスの右ボタンクリックで表示されるメニュー項目です)を表示すると上記の埋め込み可能かどうかや著作権が表示されます(下図はWindows7で表示した例です)。

 上図のプロパティは「MSゴシック」のものですが、埋め込みが可能で著作権は株式会社リコーが持っている事がわかります。

 何気なく使っていると思いますが、Windowsにインストールされているフォントは常識的に使うのであれば埋め込んで使っても構わないですよ、というニュアンスがあります。例えば社内資料や取引先に見てもらうための資料ぐらいは問題ない、という事らしいです。この辺の明確な線引きが存在しない事がややこしいのだと思います。

 マイクロソフトではWebページ「マイクロソフトの著作物の使用について-フォント」に簡単な記述があります。

 読んでもらえれば分かると思いますが、要するに何か疑問があれば著作権者に問い合わせて下さい、という事になります。これは私たちも同じで「××フォントを埋め込んでも良いのか?」とお問い合わを頂いてもやはり同じようにしか答える事は出来ません。

 ちなみに、別途許諾が必要なケース(MSゴシックがそうかは分かりませんが)というのは、フォントを埋め込んだり、使用して印刷したりしたドキュメント自体を商用利用する場合と言われています。例を挙げるなら書籍などでしょうか。最近は同人誌などもあるため、規模に応じてというケースもあるそうです。また、完全フリーというフォントもあります。

 インストールさえしてしまえば気軽に埋め込む事は可能ですが、場合によっては著作権を侵す可能性もあるので注意はひつようです。また、埋め込むと当然PDFのファイルサイズもその分大きくなるのでご注意下さい。


AH PDF Server 製品ページ
AH PDF Server についてお問合せ:sis@antenna.co.jp

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