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2008年07月02日
頼みの綱のフォント(Last Resort Font)
UnicodeのWebページに「頼みの綱のフォント」(Last Resort Font)が公開されています。
これは自動組版などで、指定したフォントでは、あるUnicode文字を表すためのグリフ(文字の形状)がないとき、代わりに表示するためのグリフを集めたフォントです。
通常はフォントに文字がないとMissing Glyphになって、どういう文字が表示されるかは分からないことになります。Missing Glyphになったとき、この「頼みの綱のフォント」が使われるようにすると、グリフのない文字コードにどんなフォントを指定すれば良いか分かるようになるでしょう。
Unicodeの「頼みの綱のフォント」は、文字のブロック毎にそれを代表する文字(例えば、基本ラテンではA、CJKは字(図))とその周囲の帯でデザインされたグリフ234種類と、未定義を示すグリフ1、文字ではないコードであることを示すグリフ1の合計236種類からなっています。
もし、頼みの綱のフォントのグリフが使われたとき、そのグリフを見ますと文字の種類が分かりますので、どのようなフォントを指定すると事態が改善されるかが分かるということが狙いです。
なかなか良いアイデアのように見えます。
少しだけためしてみました。
例えば英語、日本語、韓国語を含むFOを作成します。
そして、font-family="Arial, MS ゴシック, Batang, LastResort"を指定したブロック(上)と、font-family="Arial, MS ゴシック, LastResort"を指定したブロック(下)を作ります。
上のブロックは、Batangフォントが韓国語(ハングル)のグリフを持ちます。下のブロックでは、韓国語のグリフをもつフォントを指定していません。
上のように、韓国語(ハングル)のグリフのない部分では、Last Resort フォントが使われます。これにより、ハングルのグリフを持つフォントを指定しなければならないことが分かるようになります。
【ご注意】念のため補足します。XSL Formatterのフォント選択は、文字単位ではなく、スクリプト単位になっています。上の例のように、スクリプトが異なる(ラテン-かな&CJK-ハングル)場合はうまく行きますが、例えば、かな&CJKの中だけで、Missing Glyphに、Last Resort フォントを適用させるのは旨く行かないはずです。
投稿者 koba : 2008年07月02日 08:00
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