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2008年05月06日

「書籍を簡単に制作する出版支援ソフトウェア」作者、天才プログラマに認定される

5月2日の日経産業新聞を今頃読んでいましたら、経済産業省が2007年度「未踏ソフトウェア創造事業」で、18人の天才プログラマーを認定したというニュースが出てました。その中で、「今回はコンピュータと関係ない団体に所属する認定者が目立った」として、森田 尚氏の「書籍を簡単に制作する出版支援システム」がありました。

プレス発表 18名の天才プログラマー/スーパークリエータを発掘

私の関係ない分野ならともかく、これは、私の土俵じゃないか!ということで、経産省の認めた天才君とはこれ如何?と早速調べてみました。

■高品質な書籍を簡単に制作するための出版支援ソフトウェアの実用化
天才と認めた理由:美馬 義亮PM
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開発者は本業の合間を見つけてプログラミングを行うパートタイム開発者という形態でプロジェクトをすすめた。実は、このように、パートタイム開発者と本業である技術系出版社に在籍する職業的編集者の「二足の草鞋(わらじ)を履く」ことには、大きな意味があった。森田さんが開発したソフトウェアは、(高価な)人間の手仕事をベースにした多くの作業を要求するという、「納得できない不合理さ」を内包する出版・編集業務を、大きく合理化したいという切実な動機に導かれていたためである。
さらに、今回示された解決策においては、(1)完成後は、業界の標準的なツールとして使っていけるように、XML 周辺の技術などを積極的に取り入れ、多くのプログラマーの間での共有化に配慮した設計であること、(2)これらの開発資源は、インターネット上で積極的に公開しようとしてきたこと(3)ともすれば、複雑化してしまいがちな、アプリケーションモデルをシンプルなものにキープし続けていること、しかし、(4)そのシンプルなモデルの背後の実装には今後の変化や高機能化に対応しやすいような柔軟な設計がなされているなどの優れた特徴がある。これらについては、開発者が日常の編集に携わっている書籍が先進的なソフトウェアに関する書籍であることに関連している可能性もある。
現在、本プロジェクトの成果物であるIdeoType を用いることにより、開発者が本業で関わっている商業出版物を作成する作業が進行している。ほかには、ネット上で配布されているソフトウェアの利用者も現れ始めているようであり、実社会に貢献するソフトウェアの開発を行うという目的も直接的な意味でも満たされていると考える。
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■IdeoTypeは、オープンソースで公開されています。
・ドキュメント:http://ideotype.sourceforge.net/
・ソースプログラム:http://sourceforge.net/projects/ideotype

○ドキュメントにはPDFのマニュアルがあります。
 IdeoType ユーザガイド
TeXで作ったPDFです。FOPもインストールするようです。どうなっているのだろう?

内部構成は・・・
中心になっているのは XSLT で書かれた XHTML→ LaTeX 変換で(html2latex.xsl)、それに LaTeXのスタイル設定ファイルやRuby言語で書かれたプログラムから構成されます。LaTeX を使うのがデフォルトですが、設定により XHTML→XSL-FO の変換をして(html2xslfo.xsl も付属)XSL-FO プロセッサを使うこともできるようになっています。XSL-FO プロセッサの設定は FOP になっています。

ということで、TeXまたはFOPがベースであり、それを使うためのスタイルシートを作ってコマンドラインから動かすもののようです。

実用的に使うときは、FOPをFormatterに入れ替えると良いでしょう。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック