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2008年04月21日
文字をパスで表した場合とグリフで表した場合の違い
アウトライン・フォントの文字をPDFにして画面に表示したり印刷する方法を大別すると、次の3つあります。
1.PDF上の文字コードを使う。表示環境上のアウトライン・フォントで表示する。
2.PDF上のグリフのデータを使う。グリフデータがPDFに埋め込まれている必要がある。
3.PDF上の文字がアウトライン化(パスで表現)されている。
1,2,3の相違はPDFの作成方法によります。1のとき、表示結果は環境依存となります。2、3では表示結果は環境には依存しません。しかし、品質に微妙な差があります。
2、3の違いの具体例がMicrosoftのWord2007製品担当者のブログに紹介されていました。
Word2007で数式編集したとき、それをPDF化すると数式の文字をパスに変換してしまうという問題が発生して、それを調査した話です。
Publishing Workflow – Math content as paths vs glyphs in generated PDF files
PDFの中で、文字をパスで表すかグリフで表すかは、一見大きな違いがありませんが、拡大するとその相違が分かります。文字の輪郭をパスで表した場合、これを拡大するとパス同士の接続が滑らかでなくなってしまっています。このため、文字の輪郭が滑らかでなくなります。(600%拡大の上の画像)
文字をグリフで現すと拡大しても滑らかなままです。グリフの場合は、グリフデータからビットマップへの変換を行うフォント・ラスタライザの計算方法が最適化されているためだろうと思います。
普通は、Word 2007で数式を作って、Save AsでPDF化するとグリフを埋め込みます。しかし、Windows Server 2003で複合文字または極東文字体系(Far East script)が無効になっていると、Word2007は、文字をパスに変換してしまうようです。
これと似たような現象を見たことがあるような気がしますが、思い出せません。
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