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2008年04月14日

日本語ワープロやエディタのビジネスは成立するのだろうか?

エルゴソフトのEgwordの事業終了の話が大きくWebででているのに今頃気がつきました。

エルゴソフトegword、egbridgeパッケージソフト事業終了のお知らせ

そういえば、販売終了のお知らせが来ていたな、と思い出しました。エルゴソフトとはビジネス上の接点が無い訳ではなかったのですが、なにしろ先方のOSが、私がとっくに見捨てたMacということであまり注意しないままに時間が経過してしまったのが残念。個人的には1980年代から1990年初頭位まではMacの大ファンでした。Windows95の登場とともに完全にMacを見捨てて、それ以降ほとんど見向きもしていません。

さて、エルゴソフトの事業終了の話ですが。エルゴソフトのEgwordは、日本のMac界では大変に有名な存在ですし、製品としても優れていて、優秀な技術者もいたようです。それにも関わらず、事業を終了しなければならない、という決断に至ったのはなぜでしょうか?

会社の経営という観点から、やはりチェックしておかねばならない課題と思います。

といっても手元には公開された情報以外はほとんどありません。とりあえず、分かるのは、同社の沿革
http://www.ergo.co.jp/company/history.html
・設立 1984年ですが、これはアンテナハウスと同じ年です。EGWordをこの年発表しています。
・1985年日本語入力ツール「EGBridge」Ver.1.0を発表。
・1986年には、日経の年間優秀製品賞受賞を受賞しています。
・1987年EGTalk、EGBookを発売
・1988年EGWorksを発売 CANON Navi用です。
・1989年PC9801用ワープロソフトEGLightを発売
・1990年にEGLightを、J3100、FMR、PS/55用に発売
・1991年にJ3100用EG Calcを発売、DOS/V用EGLightを発売
・1992年3Dグラフィックソフト「Swivel 3D Professional」「Swivel Man」「Model Shop II」、アニメーション3Dソフト「LIFE FORMS」を発売
・1993年定型文書の作成・管理のための「EGForm」を発売。この年光栄が株式を100%取得。
・1994年に本社、東京営業所、東京開発センターを東京都渋谷区に統合。この年は新しいEGwordのバージョンを出していますが、新製品はありません。また、Windows用のEGBridgeを発売しました。
株主の変更、事業所統合、新製品なし、といった状況から、恐らく、1993年までの事業の見直しが行われたのものと推測されます。
・1995年もEGWord、EGtalk、EGBridgeといった初期からの製品のバージョンアップのみを行っています。Windows用のEGWordを出しています。
・1996年からまた、EGWord、EGBridge以外の新しい製品を出し始めました。2001年位まで新製品を色々と出しています。
・2002年頃からまたEGWord、EGBridgeに回帰しています。
・2008年1月にパッケージソフト事業を終了するまで、新しい製品を出さずに、ほとんどEGWord・EGbridgeに世界に閉じこもっています。

こうして、エルゴソフトの沿革をざっとチェックしますと、(1)最初にワープロソフト、日本語入力ソフトで成功し、(2)表計算、3Dグラフィック等の製品を出して事業拡大を図る、(3)一端縮小し初期のワープロと日本語入力の原点に返り、(4)再度、新しい製品にチャレンジ、(5)また日本語ワープロ・日本語入力ソフトに回帰、という繰り返しを行っているように見えます。

中小企業が成長・発展するには:
・事業の多角化は絶対条件である。
・従って、経営者は多角化に挑戦しなければならない。
・しかし、多角化に成功するのは非常に難しい。

ということが、エルゴソフトの沿革にまるで教科書の通りに描かれていると言ったら言いすぎでしょうか?

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック