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2008年03月06日
PDF:商用ソフト、フリーソフト、オープンソース 続き
昨日の続きですが、要するにフリーソフトとは無料で使えるソフトということです。もうひとつ、オープンソースという言葉があります。オープンソースも概念がややこしいですが、これにつきましては、以前にブログで詳しくお話しましたし、それを次のところにまとめてあります。
オープンソースは、平たく言えば、プログラムのソースが公開されていて、かつ、改変・再配布・再頒布が許諾されているものということができます。このためオープンソースは、無償になりがちですが、RedHat Linux, MySQLのように複雑な(トリッキーな)利用契約を交わすことで、実質的にかなり高額な利用料を取っている場合もあります。
そうえば、MySQLは、最近Sunが買収しました。MySQL社にはベンチャ投資家がかなり投資していたようです。MySQL社が単体の会社経営としてどうなっていたかは分かりませんが、少なくとも投資家にとっては、オープンソースへの投資の成功例になったのだろうと思います。
「オープンソース・ビジネスについて考える」でも、オープンソースが投資家の対象になり始めていると指摘しましたが、こうした成功例により、今後は、オープン・ソースへの投資が増えることになりそうです。
で、まとめですが。フリーソフト=無償ソフトと定義しますと、
・個人や有志のソフトウエア作者(達)が作って、無償で世に公開するソフトには、良いものが沢山あります。コンシューマ向けの雑誌で、こういうのを紹介するのはそれなりに有意義だし、必然性があると思います。商用ソフト側からは、そういうソフトとの共存関係を築くようにしていくべきだろうと思います。
・インターネット・エクスプローラのように、Microsoftのような大きな会社が開発して、無償で出すソフトについては、かなりな脅威になります。これは、独占禁止法などの観点から対策が必要でしょう。そういえば、NorwayのOpera Software社が、昨年12月にMicrosoftをEU独占禁止法で訴えました。事情はあまり詳しく分かりませんが、この訴訟の行方には注目が必要ですね。以前に、ネットスケープの訴訟でMicrosoftがUSで企業分割寸前まで行ったのですが、その再現になるかどうか?まあ、欧州での出来事ですが、今後の世界は欧州中心になりつつありますし、眼を離せない話です。
・プロプライエタリな商用ソフトにとっては、オープンソースはなかなか大きな脅威です。企業システム用のオープンソースの開発者は、現在は、既に個人や有志ではなく、企業に所属するプロの集団になりつつあります。そういう意味では、オープンソースは、商用ソフト開発の新事業形態になってきているということであり、オープンソースは、生半可な商用ソフトに勝る機能を備えるようになってきています。そうなりますと、オープンソースと競合したとき、どうやってそれと戦うか?これは相当に知恵を絞らねばなりませんね。でも、XSL Formatterは、50万円なんですが、無償のオープンソースFOPと同じ市場で競争して、少なくとも過去数年間は十分なお金を稼ぐことができました。ですので、無償のソフトと競合しても、商用ソフトが生き延びる方法があるということは言えます。
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