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2008年02月11日

Page2008 トークショウ「コンピュータ組版の軌跡2」(3)

前回は、コンピュータ組版からマークアップ言語の歴史の話に、脱線してしまいました。このブログを読まれている皆さんは、「マークアップ言語などあまり関心がもてないなあ」、と感じておられるかもしれません。

しかし、いま、お読みいただいているブログも、また、Webページも、マークアップ言語の応用であるHTMLで記述されているのですから、60年代に生まれたマークアップ言語こそが、現在のインターネットの興隆の一大要因になっていると言っても過言ではないでしょう。

ますます、脱線してしまいましたが、話を元に戻しますと。

小野沢氏はGenCodeを印刷のための共通入力形式に利用できないかと考えたとのことですが、それはその後の「SGML懇談会」でSGMLを共通データフォーマットとして利用する研究に繋がったとのことです。そして、その活動の中から、最初のJIS X4051(日本語文書の組版方法)が生まれました。

JIS X4051は、日本語の組版をするための規則をJIS化したもので、大きな成果だと思いますが、残念ながらその規格を実際の製品に反映したのは、マイクロソフトのWordや、最近ではアドビのInDesignなど米国のメーカになっているようです。しかし、最近では、XSL FormatterもJIS X4051を(部分的に)実装していますし、次のバージョンでは、よりJIS X4051の実装レベルをあげようとしていますので、弊社にとっても大きな効果をいただいています。

いづれにしても、従来は、編集者や印刷の専門化の頭の中、あるいは、出版者のハウスルールとしてばらばらになっていた情報がJISの形で体系化されたことは後世のためにも大きな功績と思います。

現在は、このJIS X4051をベースとして、Webブラウザなどのための組版の要求をまとめる作業が、W3Cのタスクフォースとして行われています。

1980年代終わり頃から始まった、マークアップ言語の研究が、現在まで作業として続いているということになります。

さて、1980年代の組版システム製品として、島袋氏から富士通のIPSの話がありました。富士通のIPS(富士通統合印刷システム)は、800ユーザ、1200システムの実績があったとのことですので、すごいものです。凸版印刷の営業としては、出版社にシステムを持ち込み、出版社の中でレイアウトし、その場でOKをとるというやり方だったらしいです。これは印刷会社の人が入力やレイアウト作業をしたのでしょうが、コスト的に高くついてしまい、その後はDTPに取って代わられたようです。

なお、IPSは、印刷会社よりもむしろ新聞業界に沢山はいったという話もありました。

投稿者 koba : 2008年02月11日 08:00

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