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2008年01月20日
天才詐欺師か大経営者か?
『検察を支配する「悪魔」』(田原総一朗・田中森一著、講談社刊)を読みました。本の主題である「検察が、国策捜査の名の下に、国家権力を濫用して冤罪を作る」という話も空恐ろしいものですが、まじめな会社経営という観点からも参考になる箇所がいろいろありました。
例えば、バブルの時代、総額二兆円を食い尽くしたといわれる許永中ですが、田中氏は、許永中は、「もの凄い企画者、プロデューサー」だと言っています。例えば、大阪にオリンピックを招致しようとして考えて、大阪帝国ホテルのタワー棟の高階層を上から三フロア借り切って、そこにつくった「アメリカンクラブ」という社交場なんて、なかなか凄いアイデアだと思います。私などはそういう壮大なアイデアは考えつけません。
松下幸之助の本には、「芸術家がキャンバスの上に絵を描くのと同じように、経営者は経営資源を使って新しいものを想像する存在である」という話が載っていたように記憶しています。
また、稲盛塾長は、「未来進行形で考えること。いま出来ないことでも、未来の時点でできるようになる。そういう人間の能力を信じて、今はできないことでも注文をとってきて約束した納期までに完成させる。」と言っています。
こうなりますと、会社の経営で大成功するには、許永中のような側面が必要ということになります。最初に構想した大きな絵を実現できれば成功した大経営者として尊敬され、実現できなければ天才詐欺師として塀の中ということになるのでしょうか?
それから、政界のタニマチ、中岡信栄。拓銀系列のノンバンク、エスコリースから2000億円の融資を引き出して焦げ付かせ、拓銀破綻の原因を作った男。彼が、金をだれかれ構わず金をばら撒くのはタニマチ心理がよく説明されていて理解できました。このタニマチ心理は、OASISやW3Cなどの、必ずしもならなくても良いコンソーシアムのスポンサーになる企業経営者の心理と似ている部分があるように思いました。使う金の桁が数億倍位違うけれども。
使った金を売上で回収できればビジネス行為、しかし、使った金の回収を期待しなければタニマチ。しかし、広告宣伝費なんて効果があるかどうかは全然予測できませんし、終わった後でもわからないことが多いものです。このようにビジネス行為とタニマチの境界にはなかなか難しいものがあります。
今月は、確かPDF製品だけで数百万円以上の雑誌広告費を使っているはず。多分、今月はアドビ・ジャパンよりPDF関連の雑誌広告費は多いでしょう。しかし、今月のPDF製品売上は幾らになるか今のところ予想もできません!?パソコン雑誌のタニマチになろうとしているわけでないことは確かなんですけどね。
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