« PDFと長期署名(14) — 長期署名は記録保存モデル | メイン | Acrobat8 半透明がPDF表示に与える影響 »

2007年08月18日

広告配信モデルの無償ソフトの将来は?

最近、広告収入を当て込んで、無償でソフトを配布する動きが幾つか見られるようになっています。

第1は、キングソフトの「Kingsoft Internet Security free」 7月19日から無償でのダウンロードを開始しています。セキュリティ業界初の触れ込みですが、キングソフトが現在販売している有料のプログラムと全く同じ品質でありながら、ユーザーにかかるコストは0という業界初の広告モデルとされています。セキュリティソフトの場合、ウイルスのパターンデータを更新するのですが、その更新のタイミングで広告を配信する、とのことで、オーバチュアやアフィリエイト広告パートナーと提携して、広告収入を当て込んでいます。

広告収入を増やすには、ダウンロード数が増えて、広告媒体価値が高くなることが、前提条件になります。無償ダウンロードを初めて約1ヶ月ですが、どの位のダウンロードがあったのでしょうか?

その第2は、クセロが最近配布を始めた「クセロReaderZERO」。これは、PDFのビューア・ソフトですが、1週間ほど前から無償ダウンロードで配布を始めました。触れ込みでは、年間200万ダウンロードを目指すとか。

クセロ社のニュース・リリース自体には、広告を収入源とするとは一言も書いてありません。ネット上のニュースを見ても、無償配布のことしか書いてありません。しかし、日経産業新聞の8月16日の記事によりますと、「ファイルの起動時に別画面で広告を表示。広告収入を得ることで利用者への無償提供を可能にした。年間3億円の売上を目指す。」とあります。

日経産業新聞の記事には次のような図までついています。ということはクセロの森社長が、日経の記者だけに計画を話したのでしょうか?
20070818.PNG
しかし、クセロのWebページを見ても、掲載を期待する広告主や製品は何かなど何も出ていません。(本当に広告ビジネス・モデルを考えているのでしょうかねえ。)

いづれにせよ、パッケージソフト・ビジネスを広告配信収入で維持できるものなのかどうか?この二つのビジネスの今後の展開がどうなるか。まずは、興味深々といったところです。

投稿者 koba : 2007年08月18日 08:00

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.antenna.co.jp/PDFTool/mt-tbng2.cgi/783

コメント

コメントしてください




保存しますか?