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2007年08月29日

実践PDF/A (3)

今日は、昨日作成したPDF/A-1aを、XSL Formatterで直接作成してみます。XSL Formatterでは、タグ付きPDFやPDF/Aの出力機能があります。

タグ付きPDFのタグの方は、Formatterの組版結果からPDFを出力する際に、XSL-FOの構造をもとにしてPDFにタグを自動的に埋め込みます。FOの要素とタグの対応関係については、
http://www.antenna.co.jp/XSL-FO/V4/pdf.htm
の「タグ付きPDF」の項をご覧ください。

さて、昨日使用したグラフィックス・ファイルはCMYKカラーで表現されています。PDF/Aでは、CMYKカラーを使う場合、OutputIntent辞書に、Sキーの値としてGTS_PDFA1、DestOutputProfileキーの値としてICCプロフィールのストリームをもつ必要があります。

このためまずICCプロフィールのデータを用意しなければなりません。AdobeのWebページで基本的なICCプロフィールのデータ・セットが配布されています。

http://www.adobe.com/support/downloads/detail.jsp?ftpID=3145

とりあえずデータ・セットをダウンロードします。このカラープロフィールのセットには、CMYKとRGBのカラープロフィールが幾つか入っていますが、その中から、昨日使ったのと同じ、JapanColor2001Coated.iccを選択してインストールします。(ファイル名の上で右クリックして、インストールを実行します。)

そうしますと、このカラープロフィールが、Windowのシステムフォルダにインストールされます。私のWindowsXPの場合は、ここにインストールされます。

C:\WINDOWS\system32\spool\drivers\color

XSL-FOでは、カラープロフィール関係の情報をfo:declarationsの子供として指定します。

次のようになります。
<fo:declarations>
<fo:color-profile
src="url(file:///C:/WINDOWS/system32/spool/drivers/color/JapanColor2001Coated.icc)"
color-profile-name="#CMYK"
/>
</fo:declarations>

※全体のXSL-FOはここにアップしました。
ファイルをダウンロード

Formatterで上記のFOを組版し、PDF出力設定でPDF/A-1aを指定します。
20070829.PNG

PDFを出力します。
出力したPDF:ファイルをダウンロード

これをAcrobatでPDF/A-1aに適合しているかどうかチェックしますと、次のようなそっけないメッセージですが、OKです。
200708291.PNG

PDF/Aでは、このようにPDF内に出力インテントとしてカラープロフィールデータを埋め込む必要があります。

ここでは、多少厄介ですが、XSL-FOでカラープロフィールデータのありかを指定し、それをXSL Formatter4.2を使ってPDFにすることで、PDF/Aを正しく作成できることを示しました。

なお、Adobeが配布している上記カラープロフィールのデータセットのライセンス文書には次のように書いてあります。

Adobe also grants you the rights to distribute the Software only (a) as embedded within digital image files and (b) on a standalone basis (Software とはICCカラープロフィールデータ)

ということで、このカラープロフィールをPDFの中に埋め込んで配布することは問題ないと思われます。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック