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2007年06月20日
PDFと署名(44) — MDP署名の場合
PDFの仕様では、普通の署名とMDP署名という、2種類の電子署名があることは前にお話しました。
2007年05月16日 PDFと署名(28) — PDFの2種類の署名
MDP署名とは、PDF Referenceで、modification detection and prevention(修正検出・防止)と言われているものの頭文字です。日本語版Acrobat 8では、MDP署名は「証明済み署名」(certified signature)と表記されています。
PDFにMDP署名をすると、署名後に変更可能な内容を次の3段階のどれか制限できます。
・変更を許可しない
・フォームフィールドの入力と署名フィールドに署名
・注釈の作成、フォームフィールドの入力と署名フィールドに署名
「変更を許可しない」を選択してMDP署名をしますと、PDFに対して変更ができなくなりますので、通常署名でできた二つ目の署名を初め、ページの編集、タッチアップ機能によるテキストの変更など一切の変更ができなくなります。従って、増分更新というような機能も無関係です。
「フォームフィールドの入力と署名フィールドに署名」または「注釈の作成、フォームフィールドの入力と署名フィールドに署名」を選択して、MDP署名をしますと、署名時に許可した変更だけができるようになります。署名後の変更内容は、通常署名と同じように、増分更新として保存されます。
PDFの電子署名は、(1)署名フィールドを作成して、(2)そこに署名するという二つのステップの処理を行うことになりますが、MDP署名後に新しい署名フィールドを作成することができません。
MDP署名したPDFファイルに、署名者と別の人に電子署名を求める場合は、予め署名フィールドを作成しておく必要があります。
このようにMDP署名と通常の署名では若干ワークフローが違います。しかし、電子署名をした後の変更内容が、PDFファイル上で増分更新として扱われることについての違いはありません。
ちなみにMDP署名をした後、通常署名をしたPDFの署名検証結果(例)は次のようになります。
投稿者 koba : 2007年06月20日 08:00
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