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2007年06月13日
PDFと署名(41) —PDFの複数署名
PDFでは、文書に複数の署名をすることができますが、この複数署名は増分更新の機能を使って実現しています。
まず、PDFを作成して、それに普通の電子署名をします。ついで、さらに二つ目の電子署名をします。次のようになります。
ここで注意して欲しいのは、最初に署名をした段階での署名の検証状態は次のようになっています。
○最初の署名をした段階での電子署名の検証状態
・プロパティ
○二つ目の署名をした段階での電子署名の検証状態
・一つ目の署名のプロパティ
・二つ目の署名のプロパティ
二つ目の署名をした段階で、一つ目の署名は署名が適用された後に変更されたというステータスに変わってしまいます。
最初の署名をした段階で、オリジナル(署名前)のPDFに対して署名辞書が作成されて、その中に署名データが作られます。署名の対象範囲は、署名データ以外のPDF全体です。
次の署名は最初の署名を含める範囲を署名対象範囲としています。二つ目の署名データは増分更新として作成されます。
また、前回と同じように、増分更新部分(最初の%%EOFより後ろ)を削除してみます。
そうして、PDFファイルに保存しますと、最初の署名がなされた状態に完全に元に戻ります。