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2007年04月27日
PDFと署名(12) — ルート認証局の種類
前回は、電子証明書はルート認証局の自己証明書からスタートしてエンドユーザの電子証明書までの鎖ができているということを説明しました。
結局、ルート証明書を発行した認証局の信用が電子証明書の信用となっているわけです。会社や一部の組織の中で使う電子証明書であればプライベートな鎖で十分ですが、政府・地方公共団体の行政サービス、あるいは企業間取引などでつかうようなパブリックな電子証明書は、それを発行する認証局の鎖が一定の公的な信用が保たれている必要があります。
公的な信用という意味では、官公庁・行政、あるいは、「電子署名及び認証業務に関する法律に基づく特定認証業務の認定に係る指針」で認定された認証局を、その筆頭に挙げることができると思います。その日本におけるその種のPKIの認証局は、大きく分けると、次のように分かれます。
・政府認証基盤(GPKI)の認証局
・商業登記認証局(電子認証登記所(CRCA))
・地方公共団体における組織認証基盤(LGPKI)の認証局
・公的個人認証サービス(JPKI)に係る認証局
・民間認証局
この中で、GPKIの認証局は、次のものがありますが、政府機関のための官職証明書を発行するもので、民間人に証明書を発行する認証局ではないと思います。
・内閣府認証局
・警察庁認証局
・防衛庁認証局
・金融庁認証局
・総務省認証局
・法務省認証局
・外務省認証局
・財務省認証局
・文部科学省認証局
・厚生労働省認証局
・農林水産省認証局
・経済産業省認証局
・国土交通省認証局
・環境省認証局
・最高裁判所認証局
さらに、GKPIには他の認証局と相互接続するブリッジ認証局があります。
※政府認証基盤(GPKI)
それから、法務省が運営する「商業登記認証局(電子認証登記所(CRCA))」があります。これは商業登記関係の証明書を発行します。民間人にも関係ありますね。
また、地方公共団体における組織認証基盤(LGPKI)の認証局として、「LGPKIブリッジ認証局」と、「LGPKIアプリケーションCAの自己証明書」があります。この認証局は、地方公共団体のネットワーク用と思います。
さらに、各種行政サービスのための公的個人認証サービス(JPKI)に係る認証局として、「JPKIブリッジ認証局」と47都道府県の各認証局があります。これは行政サービス用ですので、民間人にも大いに関係があると思います。
※公的個人認証サービス・ポータルサイト
最後に、民間認証局として、次の認定認証局があります。
・日本認証サービス株式会社: AccreditedSignパブリックサービス2に係る認証局
・日本電子認証株式会社: AOSignサービスに係る認証局
・株式会社NTTアプリエ(旧エヌ・ティ・ティ・メディアサプライ株式会社): e-ProbatioPSサービスに係る認証局
・東北インフォメーション・システムズ株式会社: TOiNX電子入札対応認証サービスに係る認証局
・株式会社帝国データバンク: TDB電子認証サービスTypeAに係る認証局
・セコムトラストシステムズ株式会社(旧セコムトラストネット株式会社): セコムパスポートforG-IDに係る認証局
・ジャパンネット株式会社: 電子入札コアシステム用電子認証サービスに係る認証局
・全国社会保険労務士会連合会: 全国社会保険労務士会連合会認証サービスに係る認証局
・日本商工会議所: ビジネス認証サービスタイプ1に係る認証局
・四国電力株式会社: よんでん電子入札対応認証サービスに係る認証局
・株式会社中電シーティーアイ: CTI電子入札・申請届出対応電子認証サービスに係る認証局
・日本税理士会連合会: 税理士証明書発行サービスに係る認証局
・日本司法書士会連合会: 日本司法書士会連合会認証サービスに係る認証局
・株式会社NTTアプリエ: e-ProbatioPS2サービスに係る認証局
・日本土地家屋調査士会連合会: 日本土地家屋調査士会連合会認証サービスに係る認証局
・株式会社ミロク情報サービス: MJS電子証明書サービスに係る認証局
どうも、ざっと調べた範囲では、このあたりまでが、日本のパブリックなサービスに関わるルート認証局と思われます。
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