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2007年03月10日

Open Publish Conference — XML オーサリング

Open Publishは、オーサリングのトラック、コンテンツ・マネジメントのトラックの二つのトラックで開かれていました。この会議は出版業界を対象にしているようです。出版においてどのようにコンテンツを作成・管理して、コンテンツを多重利用するか、という日本でもおなじみのテーマです。

プレゼンテーションを行っている人の大半は、どうもXML関係のコンサルタントのようです。

私は、オーサリング・トラックをずっと聞いていたのですが、人気があるテーマのときは、聴衆が集まりますし、あまり関心がないテーマでは、聴衆が少なくなります。聴衆の数の変化からは、オーサリング・トラックでは、ODF(Open Document Format)とMicrosoft Office 2007のXML形式についての話題に関心がもたれたようです。多分、これは、日本と同じでしょう。

アンテナハウスでも、ある会社のためのMicrosoft WordでXML(マニュアル)を編集・組版するシステムを作っています。そんなこともあり、Mark Jacobsonの「Microsoft WordでXMLをオーサリングする実際の話」には関心がありました。このプレゼンは今日のプレゼンの中では参加者が一番大勢集まりましたので、参加者の間でも関心を集めたようです。

この話の内容は、次のようなものです。
(1)Word97/2000時代には、RTFをXMLに変換するシステムを作った。
(2)Word2003でWordMLで保存できるようになり、RTFの代わりにWordMLを使うことで、XMLからXML変換で済むようになり楽になった。
(3)Word2007では、WordMLが標準のフォーマットとなった。
(4)しかし、Word2003もWord2007もカスタムXMLのサポートは中途半端、ユーザ・インターフェイス(GUI)は、XML編集には向いていないなど、XMLエディタとして使うには向いていない。
(5)Wordのスタイルは平坦なので、ネストした構造をWordのスタイルで表すことができないし、属性の入力、混合内容(Mixed Content)を編集するのは非常に難しい、など。
ざっくり言って、私達も経験で知っているのと同じような内容で、あまり目新しさは感じませんでした。

あとは、立法(legislative)に関するオーサリングと出版についてのプレゼンが二つありましたが、こちらは、両方とも実際の地方自治体でのシステムのデモもあり、なかなか面白いものでした。XSL Formatterは、米国の州政府・カナダ政府の法律出版システムなど、法律の出版物の作成に使われている例がいくつもあります。今日のプレゼンテーションを聞いて、なぜ、法律のシステムにXMLが向いているかが理解できました。

今日は、6つ(6人)のセッションを聞いただけなのですが、その講演者でXSL Formatterのユーザが2人いました。XSL Formatter=XSL-FOの代名詞とまでは行きませんが、これは、なかなかの数字ではないでしょうか。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック