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2007年02月24日

日本語組版はグリッドベースで行うと言って良いのか?(2)

日本語文書の組版方法については、さまざまな出版社毎のルールがあると思いますが、JIS X4051は、専門家が集まって長いこと議論を重ねて標準として定めたものですので、やはりそれに準拠するのが良いと思います。

このJISの「4.1行に配置する文字の基本的な配置位置」は、欧文系の仕様ではあまり標準的な考えではありません。

その前に簡単にここで使う用語を説明します。次の図をご覧ください。
200702241.PNG

まず、日本語の漢字や一般のひらがななどは、一つ一つが正方形でデザインされています。文字の外枠の大きさ(高さ)が文字サイズとなります。そして、文字と文字の間隔を文字間と言います。JIS X4051では定義されていませんが、ここでは文字を1文字ずつ進める幅を文字ビッチと言います。

さて、「4.1行に配置する文字の基本的な配置位置」では、
a.行送り方向は、それぞれの文字の中心を揃えて文字を配置する。
b.字詰め方向は、行頭、行末および隣接する文字間に表5に規定する空き量を確保して文字を配置する。

とあります。表5を見ますと、普通の漢字やひらがなでは、空き量はゼロ(文字間なし)となります。つまり、日本語の横書きでは文字をその外枠をつけて左から順に並べていくことになります。

そして、昨日の図にありましたように、指定した文字数分並べたら、新しい行に進み、次の行の先頭から文字を並べます。

従って、ワープロでJIS X4051準拠の日本語組版をしようと考えたら、左余白を指定し、それから文字のサイズを指定し、それから文字数を指定する、というページ設定ができなければなりません。

例えばMicrosoft Wordなどでは、特別に注意しないでページ設定をしますと、左余白、右余白を設定し、その結果として本文の入る幅が決まります。一行の文字数は、文字のサイズを決めると結果的に決まることになります。但し、Microsoft Word 2003のページ設定ダイヤログには、(1)左余白を設定し、(2)文字数と行数を設定、(3)標準の字送りを使用することで、右余白が計算して設定される機能があります。これを使いますとJIS X4051に準拠する文字の配置ができると思います。このようにMicrosoft Wordは日本語組版を研究して、その方式で設定可能な機能を用意している点はさすがです。

ところが、現在のXSL-FOやCSSには、そのような指定方法は用意されていません。Microsoft Wordの標準と同じで、左右余白を設定する方式です。そこで、まず、このような設定を簡単にできる機能を用意してもらわなければならないということになります。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック