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2007年02月23日

日本語組版はグリッドベースで行うと言って良いのか?(1)

この間の多言語組版研究会で、ちょっと気になったことをもう少し突っ込んでみます。
それは、「日本語組版はグリッドベースで行う」と言う表現についてです。

昨年のXSL-FOV2.0のワークショップで、ジャストシステムの大野氏が、日本語組版からXSL-FOへの要求事項ということでプレゼンテーションを行いました。このことは、既にブログでも触れています。
2006年12月12日 XSL-FO 2.0 Workshop続き先日のPage2007でも、2月9日の「D6XMLと高度な日本語組版の実現」というセッションで、報告がありましたので、お聞きになった方も多いと思います。

そのプレゼンテーションのスライドに次の図があります。
20070223-10.PNG

この図は、まさしく、日本語組版はグリッドベースで行うということを言っていると思います。XSL-FO 2.0 Workshopでも、Page2007 でもそのプレゼンテーションを聞きながら、この表現が内包している問題点に気が付かなかったのですが。先日の研究会で初めて気が付きました。

それに対して、多言語組版研究会で、小野澤氏は次の図と式を示されました。
20070223-21.PNG


20070223-31.PNG

20070223-41.PNG

この図と二つの式の一部を説明しますと、

横組みにおいては、のどの空き量を指定し、版面の寸法(幅)は文字数×文字サイズで計算し、小口の空き量は成り行きとなる(結果的に決まる)と言っています。

上の用語は分かりにくいと思いますので、皆さんが普段使っているワープロの用語でワープロで言ってみましょう。

そうしますと、見開きページでは内側の余白を設定し、さらに文字の大きさと文字数を指定します。

その結果、文字の大きさと文字数から本文領域の幅がきまります。そして、外側の余白は、ユーザが明示的に指定するのではなく、紙の幅から、内側の余白と本文領域の幅の和を引いた値となります。

これが、小野澤氏の説明、すなわちJISX4051が定めている、日本語組版における文字を流し込む領域の指定方法です。

つまり、JISX4051が定める日本語組版では、横組みの時は、右ページなら、左余白を指定し、本文領域の左から文字を一つづつ置いていき、文字数分まで達したら、そこで行を折り返すというわけです。

このことは、もし、文字が全部同じ大きさで、括弧類や、句読点が無ければ、結果的に文字がグリッドに入れたようになる、ということになります。すなわち、グリッドはあくまで結果的にできるものであって、最初からグリッドを想定して、決して、各グリッドのセルに文字を入れていくものではない、ということです。

ところが、欧米人に対して、まずグリッドありきという表現をしてしまったために、おかしなことが起きてしまったように思います。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック