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2006年11月14日

PDFのセキュリティ機能(4)—Acrobatの実装をチェックする

さて、PDF Referenceでの標準セキュリティ・ハンドラについて記述されている仕様を紹介しましたが、次に実際のプログラムの画面で、どうなっているかをチェックしてみたいと思います。

まず、Adobe Acrobat(プリンタ・ドライバ)でセキュリティ設定をするためのダイヤログを見ます。(このダイヤログは、PDF 1.4レベルで、標準セキュリティ・ハンドラのリビジョン3を選んでいる状態に相当します)。
Adobe-Driver-P1-JP.PNG

・「文書を開くときにパスワードが必要」にチェックしますと、ユーザパスワードを設定することになります。そうしますと、PDFを利用する人がパスワードを入れないと文書を開くことができなくなります。

・「文書の印刷および編集とセキュリティ設定にパスワードが必要」は、少々、分かりにくい日本語のようにも思いますが、ここにチェックしますと、昨日、説明しましたオーナーパスワードを設定できることになります。

さて、オーナーパスワード設定の状態では、次の二つのダイヤログに示すように、PDF に次のセキュリティを設定できるようになります。

・印刷許可(次のいづれか) — 許可しない、低解像度、高解像度
・変更を許可(次のいづれか) — ページの挿入、削除、回転
              フォームフィールドの入力と署名
              注釈の作成、フォームフィールドの入力と署名
              ページの抽出を除く全ての操作
・テキスト、画像、およびその他の内容のコピーを有効にする
・スクリーンリーダデバイスのテキストアクセスを有効にする

Adobe-Driver-P2-JP.PNG

Adobe-Driver-P3-JP.PNG

セキュリティ設定のダイヤログを見ますと、Adobe Acrobatのプリンタ・ドライバでは、PDF Referenceに記載されているすべてのセキュリティ設定パターンは指定できないことが分かります。例えば、PDF Referenceの仕様では、「ページの挿入、削除、回転」と「フォームフィールドの入力と署名」は独立に設定 — 両方NO、どちらか一方のみYes、両方Yesの4通りの設定 —できるはずなのに、このダイヤログのメニューでは、両方Yesの設定は不可能です。

さて、PDFに設定されているセキュリティの状態を確認するには、Adobe ReaderでPDFを開いて、文書のプロパティ「セキュリティ」タブを選択します。そこでセキュリティ設定の詳細を確認することができます。

SecurityTabStatus.PNG

投稿者 koba : 2006年11月14日 08:00

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