« サーバベース・コンバータ V1.3をリリース | メイン | Internet Explorer 7 の印刷機能 »

2006年10月26日

PDFを画像や音声のコンテナとして使う!?

今日の日経産業新聞にアドビのCEOブルース・チゼン(Bruce Chizen)氏のインタビューが掲載されています。この後ろの方に、次のような発言があります。

記者「文書画像関連ソフトだけでは成長に限界があるのでは。」
BC「...画像や音声など、様々な情報を包み込むコンテナのような役割を未来のPDFとフラッシュは果たすだろう」

アドビは、マクロメディアを買収して以来、フラッシュとPDFの統合を図っています。このことは、何回かこのブログでも触れています。
Macromedia吸収後のアドビ、次のステップ
PDFとFlashの統合?

この統合がどういう形になるか、最終的な形は見ていませんが、もし、PDFのフレームの中に音声や動画を埋め込むということであれば、それはかなり無理があるように感じます。

もう少し補足しますと;

PDFはページの概念をもつ紙を電子化したものです。もともと紙であった情報、または紙への印刷を目的としたものをPDF化するというのは適切なように思いますが、紙を前提としない情報をPDFに入れるのは不自然だと思います。

Acrobat Readerを使ってPDFをPCのWindowに表示して画面上で読む行為、Windowに入りきらない部分をスクロールしたり、ズームアップ・ズームダウンしながら読む行為は、どうも不自然ではないか、無理なところがあるのではないかと感じます。

それはなぜかと考えますと、PCのディスプレイは横長の大きさをもつのが普通ですが、紙は通常は縦長の大きさをもちます、紙に比例する領域の大きさをもつPDFを横長のディスプレイに表示する行為には無理、無駄があります。

最近のPDFにはタグ付きPDF、リフロー機能などの機能が追加されていて、Windowのサイズに合わせて表示することもできるようですが、しかし、PDFはもともと紙への印刷を前提として開発された技術の延長上にできたものです。従って、コンピュータのディスプレイや、その上のWindowにフィットさせることを目的とするとき、PDFファイルの内の情報の持ち方は不向きです。

一足飛びに結論を言いますと、まず、PDFとブラウザを融合した新しい情報の表示手段の必要性があるということ。そして、音声や動画などは、基本的にコンピュータ技術を前提としますので、紙よりもコンピュータのディスプレイに親和性が高いはずです。親和性の低い紙=PDFに音声や動画を統合する、というのは技術として筋が悪いのではないか、と思うのです。

投稿者 koba : 2006年10月26日 08:00

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.antenna.co.jp/PDFTool/mt-tbng2.cgi/484

コメント

コメントしてください




保存しますか?