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2006年10月19日
W3C Print Symposium 2006 (2)
ドイツのハイデルベルグで行われているW3C Printシンポジウム2006の会場は、Print Media Academyという建物ですが、印刷機械メーカのHidelBerg社のセミナー施設のようです。ハイデルベルグ市って、HidelBerg社の城下町なんですね。
さて、参加登録者の人数は70名強で私の予想より少ない人数です。日本からもジャストシステム2名、アンテナハウス2名、印刷技術協会、キヤノン、W3Cから各1名とだいぶ大勢の参加者がありました。日本からの参加者は、18日のワークショップで、W3Cの印刷仕様を国際標準としてしっかり作ってもらおうということが目的です。また、米国勢ではHPやIBMの参加者も多く見られますが、マイクロソフトの参加者が一人もいないというところにマイクロソフトの冷淡な姿勢が感じられます。
マイクロソフトは標準仕様には冷淡で、自分達の独自仕様を推進するのに熱心なようです。シャロン・アドラーさんは、一社だけの仕様とオープンな標準仕様とでは、意味が違うとおっしゃっていましたが、ユーザの人たちは、マイクロソフトの仕様と、W3Cの標準仕様にどの程度の意味の違いをおいているのでしょうか?
結局は、プログラムをどの程度優れた実装をするかが決め手になるように思います。
ドイツでの会議ですので、ドイツの参加者が多いのは当然ですが、XSL Formatterのリセラーである、Doctronics社がスポンサーであり、他にも当社リセラーの関係者が参加していたことで、日頃めったに会うことのできない海外取引先の方と挨拶を交わすことができたのも良い機会です。
セミナーの合間に話して見ました人の中では、CSSのHakon Wium Leeさんが熱心という印象を受けました。
また、XSL-FO V1.1の概要説明も良くまとまっていたように思います。
会場の参加者からW3Cに印刷関係の仕様が沢山あって、分かりにくいという声も聞こえました。これに対しては、それぞれ、特徴があって、異なる市場・用途を狙っているという説明がありましたが、確かに、HTMLPrintは家庭向けの普及型プリンタでデジタルカメラ、携帯電話、PDAなどを含む様々な端末から写真などを印刷する用途を想定していますので、CSSやXSL-FOとはだいぶ違います。
一方、CSSとXSL-FOのように、一部の客層に対してオーバラップする仕様もあります。W3Cでは、重複する部分は互換性の維持、重複する仕様はグループ化して互換性を保つような管理をしていくべきだろうと思います。
アンテナハウスでは、そのようなことを考えてXSL-FOとCSSの互換性を高めて欲しいということを提案しようと考えていたのですが、Chairのシャロンさんが、XSL-FOとCSSの互換性を実現するのは絶対無理と強硬な意見をもっているために今日のところは、話をする時間があまり与えられませんでした。
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