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2006年10月17日
Google Docs/Spreadsheetsを初体験(4) — Kochi-Mincho
2006年10月14日 Google Docs/Spreadsheetsを初体験(1)で、Google Docsで作成したPDFで使われているフォントが「Kochi-Mincho」になっていることに気がつきました。Googleのサーバで作成したPDFの日本語フォントには、Kochi-Minchoが埋め込まれています。
私の記憶では、Kochi-Minchoは日本語フォント名「東風フォント」と言い、確か権利侵害の問題で公開停止になっていたものではなかったかな?
その後、この問題はどうなったのでしょうか。少し気になりましたので、Webでざっと調べて、状況を整理しておきます。
■この経緯についての情報リストはここにあります。
StolenBitmap
緊急作成 --- 32 ドットビットマップフォントの無断複製について
これに基づいて、私なりに整理しますと。。
■渡邊フォント(ビットマップ)
まず、32 ドットビットマップフォントの無断複製についてによると、「渡邊フォント」と呼ばれる様々なサイズのビットマップフォントがあった。これは、1990年代初頭に、広く流通していたフリーのビットマップ・フォントを元にJaWaTeX の開発者である(当時)東北大学の渡邊雅俊さんが作成したフォント集。
ところが、2003 年 6 月 15 日に、当該ビットマップ・フォントは、日立とタイプバンクが制作してROMとして販売したフォントが無断で複製配布されていたものであることが判明。
■東風明朝フォント(TrueType版) Kochi-Mincho
慶応大学の古川泰之さんが、渡邊フォント(ビットマップ)を元にアウトライン化したもの。
元になった、ビットマップフォントの問題が発覚したため、2003年10月21日に古川泰之さんは制作活動終了宣言をしています。
東風フォント制作活動終了のおしらせ (2003年10月21日)
■その後
東風フォントその後
東風フォントその後 7~9
東風フォントその後 10~11
東風フォント問題が解決の方向へ無償利用も可能に
などを読みますと、話合いの結果、日立やタイプバンクとライセンス契約を結べば「東風フォント」などの派生フォントを(一定の条件で)開発、配布、利用できることになったようです。しかし、この過程で古川さんは「東風フォント」の開発・配布をやめ、内田明さんという方は、契約を結んで「XANO明朝フォント」を開発することにしたのだそうです。
XANO明朝フォントについて
つまり、開発者である古川さんは「東風フォント」の開発契約を結ばず、終結宣言をしたことから考えて、他の人が東風フォントを配布したり、利用するのは、正当な契約に基づかない行為になるのではないかと思います。契約に基づかない行為、すなわち無断使用が、直ちに不正であるとか、あるいは、損害賠償等の問題に発展するかは私にはわかりません。そういうことを判断する立場でもないですが。
しかし、Googleほどの企業であれば、有償フォントを購入して使えば良いのにね、と思うのは私だけでしょうか?
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