« 2006年09月17日 | メイン | 2006年09月19日 »
2006年09月18日
Office2007の新しい数式エディタ (2)組み立て形式と直線形式
Office 2007の新しい数式エディタでは、数式の表記モードに、組み立て形式と直線形式の2種類があります。
簡単なところで、二項展開を表す等式の組み立て形式と直線形式は次のようになります。
数式エディタで数式を入力していく時は、直線形式になりますが、数式を最後まで入力し終えて、スペースを入力しますと、自動的に組み立て形式に変わります。
TeXをご存知の方にとっては、直線形式というのは、TeXに似ていると思うに違いありません。TeXでは二項展開の等式を次のように表します。
(a+b)^n = \sum_{k=0}^n {n \choose k}a^k b^{n-k}
※私は、TeXを実際に使ったことが一度もありませんが、多分、こうじゃないかと思います。間違っていましたらご指摘ください。
TeXの式との違いは、次の4点です。
・\sumが、∑ (U+2211:N-ARY SUMMATION) となっている
・\chooseが、¦ (U+00A6:BROKEN BAR)となっている
・▒ (U+2592:MEDIUM SHADE)が結合子として使われている。
・画面に表示されない{ }の代わりに( )が使われている。
このように直線形式とはTeXの数式表記のUnicode版になっていると言っても過言ではないようです。
Murry Sargentによる「Unicode Nearly Plain-Text Encoding of Mathmatics」がUnicodeテクニカル・ノートとして公開されていますが、これは、Unicodeを活用したTeXの数式表記の提案と考えても良いと思います。
※参考資料
Unicode Technical Note #28:Unicode Nearly Plain-Text Encoding of Mathematics
本文:Unicode Nearly Plain-Text Encoding of Mathmatics (PDF)