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2006年09月17日
Office2007の新しい数式エディタ (1)
マイクロソフトのMurray Sargentが新しいブログ「Math in Office」をはじめています。
Murray Sargent: Math in Office
この人がマイクロソフトに入社したのは1992年になっています。私の記憶では、入社の前、大学の先生時代、David Weiseと共同でSSTデバッガを開発し、その縁で、夏休みにマイクロソフトのコンサルタントとして働いていた時、ガーデン・パーティの最中に、Windowsのプロテクト・モードのきっかけとなるアイデアを出したそうです。その頃、MicrosoftはWindowsの開発で640KBのメモリの壁を破ることができずに、苦しんでいたのですが、この壁を破るきっかけが彼のアイデアだそうです。
これによって、Windows3.0のエンハンスト・モードが可能となり、さらには、Windows95へとつながって、Microsoft Windowsの大成功への道を開いたことになります。その時のエピソードが、確か、Andrew Schulmanの「Unauthorized Windows 95」に載っていました。(昔の本を置いてある書庫が遠隔地なので確認できないのですが)。
レーザの研究者(22年間大学でレーザを研究)でレーザについての本を出す傍ら、パソコンのH/Wなどのアーキテクチャについての本も執筆しています。
The Personal Computer from the Inside Out
The Programmer's Guide to Low-level
PC Hardware and Software
Murray Sargent III, Richard L.Shoemaker
Addison-Wesley Publishing Company
ISBN 0-201-62646-2
Copyright 1995
きっと、天才なんでしょうね。マイクロソフトにはこういう天才がごろごろしているそうです。(もっとも最近の天才はGoogleを目指すようですから、だんだん変わるかも。)
彼は、その後、Microsoftに入社して、RichEditの開発を担当。最近は、Officeで高品質な数式の編集と表示に関わる開発をしています。Unicodeコンソーシアムでプレーン・テキストによって数式を表現する方法について発表していたので、注目していましたが、いよいよ、その成果がOffice2007の新しい数式エディタとして登場するようです。
Word2007のβ版で、「Alt」キーと「+」キーを同時に押すと、新しい数式エディタが起動します。
ブログでは、この新しい数式エディタについての啓蒙活動をもくろんでいるようです。これから、Murray Sargentの提案する新しい数式編集についてもう少しレポートしてみたいと思います。
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