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2006年07月22日

PDF/X-1a:2001、PDF/X-1a:2003 (7)

7.境界ボックス

PDFは、紙と同じようにページの概念をもつ媒体です。PDFでのページは、ツリー構造で管理され、ツリーの葉に相当する部分が1つのページです。これをページオブジェクトと言います。

ページオブジェクトには様々な属性を設定できます。これを設定したデータをページオブジェクト辞書と言います。オブジェクト辞書の設定キーの中でPDFのページ境界に関するキーを次に示します。PDF/X-1aではこれらのページの境界の設定について制限を課しています。

表 ページオブジェクト辞書のページ境界関連項目

キーPDFPDF/X1-a
MediaBox必須継承可
CropBoxオプションCropBoxがあるとき、BleedBox、ArtBox、TrimBoxのいづれもCripBoxの境界を越えないこと
BleedBoxオプションBleedBoxがあるときは、ArtBox、TrimBoxはBleedBoxの境界を越えないこと
TrimBoxオプションTrimBoxかArtBoxのどちらか、一方のみ、が設定されていなければならない。ArtBoxよりもTrimBoxの方が望ましい。
ArtBoxオプション

参考 ページ境界の意味
通常の書類をPDF化した場合のように、PDFを印刷した物が最終印刷物になる場合、MediaBox、CropBox、TrimBox、BleedBoxは一致します。しかし、PDFを印刷用のフィルムに出力する場合は、MediaBoxがフィルムの境界に相当し、TrimBoxが印刷して周囲を切り落としたページのサイズになります。

BleedBoxは、TrimBoxの外側に裁断や仕上げのために必要な幅を確保した領域です。

CropBoxは、ページの内容をクリップするための領域とされていて、他の境界線との関連性はありません。

ArtBoxはDTPソフトなどのアプリケーションが出力するもので、TrimBoxの内部でページの意味のある内容を囲む領域とされています。

※PDF Referenca Fifth Edition 10.10.1 Page Boundaries pp. 890 - 893

DTPなどの出力したEPSグラフィックスをPDFに変換したときなどに使うと、ArtBoxで切り取って他のPDFに埋め込むなどの用途で便利と思います。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック