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2006年07月01日
XSL-FOによるXMLのPDF化(22) XSL-FOはマークアップ文書スタイル付けの正統派
いままで見てきましたように、XSL-FOでは、フォーマット化オブジェクトに対して、フォーマット化特性を指定して、組版結果の見栄えやレイアウトなどをきめ細かく指定できます。
フォーマット化オブジェクト毎に指定可能な特性が多数ありますので、この組み合わせは膨大になります。この結果、XSL-FOではCSSよりも遥かに詳細なレイアウト設定が可能になります。
XSL-FOでなぜこのような詳細な仕様ができたかと言いますと、これには、米国を中心とする企業のタグ付き文書の組版への取り組みの歴史があります。
XML以前にSGMLというタグ付き文書の仕様があったことは、前にお話しました。
SGMLにレイアウトを指定して組版するためにDSSSL仕様が1986-87年に開発が始まったと言います。DSSSLの仕様は、10年近い年月をかけてISO/IEC 10179:1996になりました。
この間、DSSSLの仕様完成を待てずに、FOSIの仕様が作成されました。FOSIは暫定的なものとして位置づけられたようで、1997年の仕様が最終版となっています。
XSL-FOのV1.0仕様策定の中心になったのは、IBMのSharon Adler女史とAnders Berglund氏ですが、この二人は、DSSSLの仕様策定にも参画したようです。こうしてDSSSLの仕様がXSL-FOに大きな影響を及ぼしていることになります。
XSL-FOはCSSよりも後に開発が始まったことから、いままで説明しましたようにCSSの仕様も取り込んでいます。XSL-FOが、マークアップ文書を組版するための血統をすべて引き継いだ仕様となっているわけです。
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