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2006年06月15日

XSL-FOによるXMLのPDF化 (8) XSL-FOの歴史

2.XSL-FOの誕生

さて、ようやくXSL-FOにたどり着きました。
XSL-FOは、XMLをページに整形してPDF化するための標準技術です。XSL-FOの標準化はXMLが標準技術として勧告された1998年から始まっています。

XSLの標準化を提唱したのは、Microsoft、ArborText、InSoの3社だったと記憶しています。不確かです。提案資料は、今、見当たりません。

XSLを作ろうという動きは、恐らく1997年からはじまっているようです。1998年1月には、XSLの開発のための作業委員会の活動が始まっています。

従って、CSSよりも数年遅れてスタートしたことになります。

改めて、W3CのXSL開発作業委員会のメーリング・リストの書庫を少し見てみましたが、CSSでは、複雑なXMLのスタイル付けは難しいということがXSLの開発意図になっているようです。このあたりは、Jon Bosak氏あたりが主張しています。また、同じくSunのNorman Walsh氏あたりもXSL推進派です。

これに対して、CSSの開発者であるHåkon Wium Lie氏が激しく反論するなどCSSとXSLの位置づけについては、当初から議論があります。

Håkon Wium Lie氏は、Operaのホームページで、Formatting Objects considered harmful

というような、XSL-FO批判を行っています。

(2006年の現在から振り返ってみますと、Håkon 氏のこの文章は、XSL-FOの可能性を認識していない、的外れの批判になっています。上の文章で、Håkon 氏は、XSL-FOはWebでは使えないといって批判しています。しかし、実は、XSL-FOはWebではなく、XMLからPDFを生成する技術、特に、SGML時代のDSSSLの後継として広く利用されるものです。当時のHåkon 氏は、DSSSLの意義、PDFの重要性が分かっていなかったのだろうと思います。)

その後、しばらくの間は、Web用のCSS、PDF生成用のXSL-FOという棲み分けがなされていました。

ところが、XSL-FO派のNorman Walsh氏が、CSSは、いつまで経っても完成しないじゃないか("CSS is never going to fix it.")と挑発したため、また、両陣営の争いが勃発しています。

Norman Walsh氏のブログ
http://norman.walsh.name/2004/12/07/webarchPdf

これに対して、Håkon氏がPrinting XML: Why CSS Is Better than XSLで、XSL-FOよりCSSが優れている主張。次に、昨日紹介しましたように、Princeを使ってHTML+CSSをPDF化して書籍を作って、XSL-FOに挑戦しています。

このように、XSLは仕様の誕生時点から、先行するCSSとの位置づけが議論の対象になっています。今後、CSS3の進展で、XSL-FOとの関係がどうなるか、楽しみです。

投稿者 koba : 2006年06月15日 08:00

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