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2006年06月22日

XSL-FOによるXMLのPDF化 (14) XSL-FOの概要 3

(6) 動的な効果:リンク及び多重フォーマット化オブジェクト
V1.0 では次の6つのオブジェクトが定義されています。
fo:basic-link
fo:multi-switch
fo:multi-case
fo:multi-toggle
fo:multi-properties
fo:multi-property-set

basic-linkは、PDFを生成したとき、内部リンク(例:<:basic-link internal-destination="appendix-a">)や外部リンク(例:<:basic-link external-destination="http://www.antenna.co.jp/...">)を設定するのに使われます。

V1.1での追加はありません。

(7) 行外フォーマット化オブジェクト
V1.0 では次の3つのオブジェクトが定義されています。
fo:float
fo:footnote
fo:footnote-body

V1.1での追加はありません。

(8) その他のフォーマット化オブジェクト
V1.0 では次の3つのオブジェクトが定義されています。
fo:wrapper
fo:marker
fo:retrieve-marker

V1.1では、次の3つが追加になりました。
fo:change-bar-begin
fo:change-bar-end
fo:retrieve-table-marker
change-barというのは、改訂された箇所の欄外に印の線を引く機能です。FOSIの重要な機能だそうです。
retrieve-table-markerによって、表が前のページから続いていたり、次のページに続いていることを示すことができるようになります。

V1.0にはなくて、V1.1で新たに追加されたカテゴリーとして次のものがあります。
(9) 索引のためのフォーマット化オブジェクト (V1.1で新設)
fo:index-page-number-prefix
fo:index-page-number-suffix
fo:index-range-begin
fo:index-range-end
fo:index-key-reference
fo:index-page-citation-list
fo:index-page-citation-list-separator
fo:index-page-citation-range-separator

これらのオブジェクトをサポートすることによって、書籍などで使う、高度な巻末索引を作成することができます。V1.0で索引機能がなかったため、主要なXSL-FO組版エンジンが独自拡張していました。V1.1ではそれらを包含する強力な索引機能が標準で定義されました。

(10) しおりのためのフォーマット化オブジェクト (V1.1で新設)
fo:bookmark-tree
fo:bookmark
fo:bookmark-title

PDFのしおりを作成するための機能です。XSL-FOはPDF作成のために使われるケースが多いのですが、V1.0には、しおり機能がなかったためXSL-FO組版エンジンがそれぞれ独自拡張していたのですが、これが統一仕様となりました。

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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック