« 2006年05月07日 | メイン | 2006年05月09日 »

2006年05月08日

GB18030の法的拘束力とは?

2006年01月16日 PDFと文字 (24) – Adobe-GB1, Adobe-CNS1, Adobe-Korea1で、Adobe-GB1が、GB18030-2000をカバーしていないと書いて、小川創生@檸檬の家さんに間違っていると指摘されました。(随分前の話ですみません)。

Adobe の GB18030 対応をご参照ください。

確かに、Adobe-GB1には、GB18030をサポートすると書いてありますので、私が間違っていたように思います。

で、ついでなので、この機会に、かねてから疑問に思っていたことを書いておきます。

それは、「GB18030-2000」が法的拘束力をもつとは、どういうことなのか?ということなんですが、この数年間、ずっと疑問のまま。

私の疑問は、次の点です。
1.GB18030-2000って、文字の符号化方式の標準じゃないの?
2.しかし、実際のところ、GB18030-2000サポートという課題を、グリフの認定という課題に、問題をすり替えているんじゃないの?

ということです。もう少し説明しますと、

・GB18030-2000は、文字の符号化方式と理解しています。
 -そうなりますと、これを、サポートするとは、OSやアプリケーションの内部コードで使えってこと?それとも、変換テーブルを用意して入出力できれば良いってこと?一体どちらなんだろ?

・GB18030-2000仕様書では、表の一部に、実際の文字の字形が印刷されています。残りの表には、Unicodeのコードポイントが書き込まれているのみです。
 - GB18030-2000のコードポイントは160万以上。そのうち字形が印刷されているのは、28,522に過ぎません。(自分で数えたわけじゃないですが)。
 - そうすると、符号化方式はどうでも良くて、仕様書で字形が印刷されている文字は、使えるようにせよ、ということ?

ビットマップフォント標準字形の国家規格というのがあり、GB18030に対応するビットマップフォントというものが売りだされています。
- これは、グリフを規定しているものではないのでしょうか?グリフの国家規格とGB18030の法的拘束力というのは別の問題だよね。

 情報機器などでは、内部文字コードにUicodeを使っているものがあります。この様な機器で、GB18030に対応するビットマップフォントを使うには、買ってきたビットマップフォントをUnicode順に並び替えることが必要です。そうすると、並び替えたものはGB18030に対応するビットマップフォントではなくなるのかな?

・今回の話で新たに沸いた疑問として:AdobeのCIDというのは、文字のグリフを集めてきたもの。フォントベンダがCIDに対応するフォントを作るときは、CIDのグリフを参考にして、自分達で新しくデザインしたグリフセットを作成する、という目的で用意されているものと理解していました。

しかし、
---引用ここから---
The typeface used to illustrate each character in this section is STSong™ Light, a product of Changzhou SinoType Technology Co., Ltd. STSong Light is certified by the Press and Publication Administration of the People’s Republic of China, the China State Language Commission, and the National Typeface Committee; and is recommended for use in official and professional publications.
---引用ここまで---
Adobe-GB1-4 Character Collection for CID-Keyed Fonts
(強調は筆者による)

というのは、CIDの趣旨に根本的に背反するのではないでしょうか?

投票をお願いいたします

投稿者 koba : 08:00 | コメント (2) | トラックバック