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2006年05月06日
PDFとフォント (25) OpenType
さて次は、いよいよ真打OpenTypeの登場です。OpenTypeという名前は、既に何回か出てきました。
ここでは、フォントファイル形式としてのOpenTypeとそれがPDFでどのように扱われるかについて検討してみましょう。
いままで延々といろいろなフォントの形式を説明してきましたが、これはすべて、本命であるOpenTypeの説明をするための準備をしてきたようなものです。
【歴史】
OpenTypeは、最初Microsoftによって、TrueType Open として開発されました。その後、1996年にアドビが開発に参加、1997年4月に共同で発表されました。
Adobe Systems and Microsoft Deliver OpenType TM Font Specification
1990年代前半まで、アドビのPostScript Type1フォントと、マイクロソフト/アップルのTrueTypeという2大アウトライン・フォントがしのぎを削るという状況でした。この両陣営が協力してOpenTypeというフォントファイル形式を開発したのは、アウトライン・フォントの歴史上では、非常に大きなできごとと思います。
OpenTypeは、TrueTypeとType1フォント技術の後継として位置付けられています。
また、OpenTypeは、現在、ISOで標準化が進んでおり、新しい標準は、OpenType 1.4で、ISOで名前を変更して"Open Font Format"になるようです。2006年終わりに最初の版が出ると期待されています。
【普及の見通し】
アウトライン・フォントの普及には、フォント制作者が提供するフォントファイルと、それを使うアプリケーション、フォントファイルからアウトラインを取り出してグリフを可視化するラスタライザの3つが大きな要因となります。
OpenTypeはもともとTrueTypeの延長として開発されていますので、TrueTypeフォントの多くについては、大きな変更なく使用できるだろうと思います。これに対してアドビはType1フォントを全てOpenType形式に変換し、OpenTypeフォントに集中しています。
Wikipediaの記事では、2005年の末で、10,000種類のOpneTypeが入手できるそうですが、このうち1/3がアドビのものと推定しています。やはり早く手がけたものが有利ということでしょうか。
いずれにしても、フォントファイルの供給という面からは、今後、OpenTypeが圧倒的に増えるだろうと予想できます。
【参考資料】
Wikipedia OpenType