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2006年04月24日
PDFとフォント(15) アウトラインフォント
昨日は、ビットマップフォントについて説明しました。これは、点滅するドットのパターンを予め用意しておく、という単純な方法でフォントを作成するものです。
2.アウトラインフォント
アウトラインフォントのアウトラインとはグリフの輪郭のことです。アウトラインフォントのファイルには、各グリフのアウトラインを描くためのデータ(パラメータ)が収録されています。
そこで、グリフの可視化は次のステップで行うことになるはずです。
(1)可視化したいグリフのデータを取り出す。
(2)データを元にグリフのアウトラインを描く。
(3)アウトラインで表現したグリフの状態から、塗り潰すべき点を見つける。
(4)塗り潰すべきを塗り潰す。
結局、アウトラインフォントをコンピュータのディスプレイに表示するには、全てのグリフについて、(1)~(4)のステップで点滅するドットのパターンに置き換えていきます。この処理を行うプログラムをフォントのラスタライザと言いWindowsのGDIやPostscriptを印刷するプリンタなど様々な機器にフォントのラスタライザが搭載されています。
アウトラインフォントについての詳しい説明は、次のページをご覧ください。
FontForgeアウトラインフォントエディタ(概要)
この中の「アウトラインフォントとは何か? ビットマップフォントとは何か?」あたりにアウトラインフォントについての詳しい説明が載っています。
グリフのアウトラインを記述する方法の中で、現在、最もポピュラーなのは、PostScript(Type1)フォントで使われている3次ベジエ曲線、およびTrueTypeフォントで使われている2次ベジエ曲線のふたつの方法です。
FontForgeの中に、ベジエ曲線についての分かりやすい説明があります。
Bézier1 スプライン
アウトラインフォントでは、グリフの輪郭を多数の線分に分割し、各線分をベジエ曲線で表します。ベジエ曲線は、二つの端点とそれに加えて曲線の曲がり具合を制御する制御点のデータで表現することができます。従って、アウトラインフォントのグリフデータの中核は、多数の線分の端点と制御点の集合ということになります。
アウトラインフォントの良い点は、グリフをベジエ曲線という数学的な曲線で表していますので、拡大・縮小が自由にできるということです。