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2006年04月11日

オープンソースのビジネスモデル (15)

6.7 W3C License

原文

World Wide Web Consortium (W3C) は、Web関係の標準化を進めている産学共同のコンソーシアムです。米国のMITのCSAIL(Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory)、日本の慶応大学、フランスのERCIM(European Research Consortium for Informatics and Mathematics)の3組織がホストになって、世界の企業・団体を組織化しています。

W3Cは、プログラムの実装よりは、むしろ、標準の仕様を策定する方に重点を置いているようです。策定した仕様は公開されていますし、誰でも自由にその仕様を利用してプログラムを実装することができます。そういう意味ではオープンソース・プロジェクトに似ています。

多くのオープンソース・プロジェクトと異なるのは、参加企業・団体にかなり高額の年会費を賦課していることで、それにより、フルタイム専属スタッフを多数擁していることでしょうか。

オープンソース・プロジェクトも、W3Cのように参加会員を募って、プログラムの共同開発を行い、できあがったプログラムは最終的にオープンソースで公開するという仕組みを取ることを考えても良いのではないかと思います。

W3Cの仕様は開発の過程では、会員企業と特定の専門家の内部だけで議論をして進めていきます。W3Cの会員になるメリットは、(1)仕様策定に参加できること、(2)仕様に関する情報を早期に入手できること、(3)各種のPR支援を得られることがあります。

ちなみに、アンテナハウスも会員になっています。当社ではW3Cの仕様の中では、XSL-FO、SVG、MathMLという3種類の仕様を実装しています。W3Cは、そういった仕様に関する情報源として、また同時に、W3CのWebサイトで当社製品をPRしてもらえることは大きなメリットになっています。

話が横道にそれましたが、W3C License はW3Cが開発したソフトウェアを、改造の有無に関わらず、再頒布する際のライセンスです。著作権の表示を明記し、このW3C License 文書を添付すれば、自由に使用を許可するという、プログラム使用者に対して寛容なライセンスになっています。


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投稿者 koba : 08:00 | コメント (0) | トラックバック