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2006年03月12日
PDFとフォント(2) フォントファミリー
フォントはいろいろなアプリケーションから使用します。
例えば、Microsoft Officeからフォントを指定して、PDFを作成する場合には、ユーザがフォントについて知識をもっていなくても、それ程、困ることがないでしょう。
InDesignやQuarkXPressなどのDTPソフトを使いこなす上では、フォントについての知識を多く持っている方が都合が良いのではないでしょうか。
これに対して、CSSやXSL-FOなどを使いこなそうとしますと、ユーザがフォントの仕組みについて知識をもっている必要がありそうです。
そこで、CSSの仕様でフォントについての記述を見てみましょう。CSSというのは、WebでHTML/XHTML/XMLの表示方法を指定するための仕様で、現在、W3Cが標準として勧告しているのは、次のCSS2です。
Cascading Style Sheets, level 2
CSS2 Specification
W3C Recommendation 12-May-1998
※なお、CSS2は改訂が進んでおりCSS2.1の最終ドラフトが公開中。CSS3も、現在、策定作業中です。
この15 Fontsを見ますと、フォントの指定方法と、ブラウザなどがフォントを選択する方法について記述されています。
1.フォントの指定方法
CSS2では、フォントについて次の特性を指定できます。
(1) フォントファミリー font-family
欧文フォントは、意匠デザインが同じ系統の幾つかのフォントをシリーズにしてフォントファミリーを構成するように作成しています。フォントファミリーでは、そのファミリーの名前を指定します。つまり、フォントファミリーを指定するということは、複数のフォントを一括して指定するという意味合いになります。
(2) フォントスタイル(font-style)
ファミリー中でnormal(通常)、oblique(斜めに傾けた形状)、italic(手書きに近い形)を指定します。
(3) フォントの変形(font-variant)
normal(通常)、small-capsを指定します。small-capsは小さめの大文字を指定します。ラテン文字のように小さめの大文字という使い方をもつ場合のみ有効です。
(4) フォントのウエイト(font-weight)
normal、bold、bolder、lighter、100~900で文字を構成する線の太さを指定します。
(5) フォントの字幅(font-stretch)
normal、wider、narrower、ultra-condensed~ultra-expandedで文字の幅を指定します。
(6) フォントの大きさ(font-size)
文字の大きさを指定します。
2.CSS2のフォント選択
CSS2ではこのように画面に表示したり印刷する時のフォントを、ファミリー名で指定して、さらにフォントの特性を指定するというやり方をとっています。
このようなやり方がうまく機能するには、フォントファミリーが、CSS2で定義しているような選択法にうまく適合するように作られている必要があります。
また、もし、指定したフォントファミリーの中に、うまく当てはまるフォントがないときに、代わりのフォントをうまく選択するフォントのマッチングという仕組みが必要になります。CSS2の仕様では、ブラウザなどで、ユーザが指定したフォントを選択するための仕組みを定めています。
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