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2006年01月16日
PDFと文字 (24) – Adobe-GB1, Adobe-CNS1, Adobe-Korea1
アドビシステムズのテクニカル・ノートでは、Adobe-Japan1の他に、Adobe-GB1, Adobe-CNS1, Adobe-Korea1の3つのグリフセットが公開されています。これらをざっと見ておきます。
Adobe-GB1は、中国の簡体字用のグリフセットで、GB 2312-80、GB 1988-89、GB/T 12345-90、GB 13000.1-93、GB 18030-2000用のグリフ29,063種類を含んでいます。
領域 | CID範囲 | Adobe-GB1 | 説明 |
---|---|---|---|
追補0 | 0~7716 (7,717個) | Adobe-GB1-0 | GB 2312-80、GB1988-89文字規格用のグリフ。GB/T 12345-90で規定する縦書グリフを含む |
追補1 | 7717~9896 (2,180個) | Adobe-GB1-1 | GB/T 12345-90のグリフ。Adobe-GB1-0に繁体字を追加する。 |
追補2 | 9897~22126 (12,230個) | Adobe-GB1-2 | GBKとUnicodeV2.1の20,902漢字をサポートするためのグリフ |
追補3 | 22127~22352 (226個) | Adobe-GB1-3 | 半角とプロポーショナルグリフの回転済のもの。 |
追補4 | 22353~29063 (6,711個) | Adobe-GB1-4 | 大部分は、UnicodeV3.0のCJK統合漢字拡張A用 |
※Adobe-GB1-4 Character Collection for CID-Keyed Fonts 2000年11月30日
Adobe-CNS1は、台湾の繁体字用のグリフセットで、主にBig-5とCNS 11643-1992規格をサポートするためのものです。一部に香港用の文字を含んでいます。
領域 | CID範囲 | Adobe-CN1 | 説明 |
---|---|---|---|
追補0 | 0~14098 (14,099個) | Adobe-CN1-0 | Big-5とCNS 11643-1992の1面、2面、およびBig-5のETen拡張用 |
追補1 | 14099~17407 (3,309個) | Adobe-CN1-1 | 香港政庁の漢字文字セット、モノタイプ、ダイナラブ社の文字の一部 |
追補2 | 17408~17600 (193個) | Adobe-CN1-2 | 半角とプロポーショナルグリフの回転済のもの。 |
追補3 | 17601~18845 (1,245個) | Adobe-CN1-3 | 香港の追加文字セット |
追補4 | 18846~18964 (119個) | Adobe-CN1-3 | 香港の追加文字セット(追加) |
※Adobe-CNS1-4 Character Collection for CID-Keyed Fonts 2003年5月27日
Adobe-Korea1は、韓国のKS X 1001:1992 (旧KS C 5601-1992)、KS X 1003:1992 (旧KS C 5636-1993)をサポートするためのグリフセットです。
領域 | CID範囲 | Adobe-Korea1 | 説明 |
---|---|---|---|
追補0 | 0~9332 (9,333個) | Adobe-Korea1-0 | KS X 1001:1992、KS X 1003:1993とアップルのマッキントッシュ用の拡張 |
追補1 | 9333~18154 (8,822個) | Adobe-Korea1-1 | KS X 1001:1992のJohabとWindows 95の統合ハングルコード拡張 (UHC) |
追補2 | 18155~18351 (197個) | Adobe-Korea1-2 | 半角とプロポーショナルグリフの回転済のもの。 |
※Adobe-Korea1-2 Character Collection for CID-Keyed Fonts 2003年5月27日
しかし、これらはどうも古いですね。Adobe-GB1なんて2000年の日付になっています。それに肝心のGB18030がカバーされていません。Adobe-CN1、Adobe-Korea1いづれも2003年5月です。これに対して、Adobe-Japan1は2004年6月なので比較的新しいですが。中国や台湾ではアドビシステムズはあまりまじめにやってないのでしょうか?そんなことはないと思いますが。分かりません。
【2006/5/3 追記】
GB18030をカバーしてないんじゃないの?と書いて、ちょっと物議をかもしてしまったようなので削除しておきます。どうして、カバーしてないと書いたか忘れてしまいましたが、多分、間違いでしょう。Adobe-GB1で規定されている字形の総数(29,063)は、GB18030:2000で字形が記述されている文字数(28,522)よりは多いようです。
投稿者 koba : 2006年01月16日 08:00
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» Adobe の GB18030 対応 from 小川創生@檸檬の家
アンテナソフト (XML や PDF の関連ソフトを開発・販売している日本の会社 [続きを読む]
トラックバック時刻: 2006年03月11日 01:52
コメント
小川創生さんのところにコメントしたので、ついでと言っちゃ何ですが…。開発が伝えられているAdobe-GB1-5では、CID=29064~CID=30283に彝文字(U+A000~U+A48C、U+A490~U+A4C6)が収録されるようです。でも、本当にうまくいくのかしら?
投稿者 安岡孝一 : 2006年03月14日 16:17